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【自立訓練の日々 その9】パソコン訓練 [視覚障碍者としてのあれこれ]

こんばんは、gonanaです。
「自立訓練の日々」第9回です。前回(第8回)は
https://gonana57.blog.so-net.ne.jp/2019-06-22
です。
なお、今回の記事後半は自立訓練修了後の話ですが、前半と内容的につながりがあるので、この記事で一緒に触れることにしました。

今回は、画面読み上げソフト(スクリーンリーダー)を組み込んだパソコンの操作訓練についてです。
私は視覚障害者になるまで、正直なところ視覚障害があってもパソコンを操作する方法があることを知りませんでした。そのため、自立訓練を始めるにあたって訓練メニューの説明を受けた時に、パソコン訓練(障害者リハビリテーションセンターでは「IT訓練」と呼んでいました)があると知って少々驚きました。
パソコン訓練は、センター内の専用の教室で行います。教室内はおそらくカルチャーセンターなどでのパソコン教室も同じかと思いますが、いくつかの長机に全部で10人分ほどのノートパソコンがおかれています。一般のパソコン教室と違うのは、そのパソコンの1台1台にスクリーンリーダーが組み込まれていることです。
さて、本格的な自立訓練がスタートして間もなくパソコン訓練も始まりました。
私は目が見えていた当時も仕事やプライベートでそれなりにパソコンは使い慣れていましたが、スクリーンリーダーを使っての操作はもちろん初めてなので、ある意味パソコン初心者のような気持ちで臨むことになります。
まず私の場合、いわゆる「ブラインドタッチ」を習得することから始まりました。というのは、それまでの私はキーボードを見ながらキー操作をしていたためです。
タイピング練習用のソフト(もちろんこれも操作方法などを音声読み上げしてくれます)を使って指の動きや配置などを習得し、かなや英数字などを入力する練習を積みました。ブラインドタッチでの入力そのものはそう時間をかけずにほぼ習得できましたが、ある程度のスピード感でスムーズにキー操作ができるまでには時間がかかりました。
キー操作に慣れたところで、本格的にパソコンを使うための訓練が始まります。
自立訓練では主にインターネットの使い方とメールの送受信ができることが目標となります。まずは訓練で使用する(今も仕事用・プライベート用両方のパソコンで使用しています)「PC-talker」というスクリーンリーダーとその関連のネット接続用のソフトやメールソフトなどの操作方法を学び、その後実際にインターネットに接続したり検索エンジンでの検索の練習、講師の先生とのメール送受信の練習などを繰り返しました。
それぞれの操作は、見えていた当時にもしていたことがベースなので、特に戸惑うこともありませんでしたが、やはりマウスを使わずにキーボードだけでスクリーンリーダーの音声を聴きながらパソコンを操作するのはこれまでと勝手が違い、最初は違和感もありました。
それでも、このパソコン訓練のおかげで視覚障害があってもできることの幅が広がることを知りました(こうしてブログを書けるようになったのもまさにこの訓練のおかげです)。
そして、将来の再就職などに向けてさらにパソコンのスキルをアップさせるべく、自立訓練を修了した後の進路として障害者リハビリテーションセンターと同じ敷地にある「国立職業リハビリテーションセンター」という障害者の職業訓練施設での更なるパソコン訓練を受けることにしました。

障害者リハビリテーションセンターでの自立訓練が修了した翌日から、引き続き職業リハビリテーションセンターでのパソコン訓練がスタートしました。
この国立職業リハビリテーションセンターは、障害者が就労に向けての様々な技能を修得する施設で、私の受けた訓練の内容も、就職後の仕事にすぐ対応できるようなものになっていました。
例えば、Excelでは様々な関数を使ったデータの集計や、それを応用しての売上集計や人事管理などを想定した課題が各訓練生に出され、それに対応する表を作成して集計する訓練を何度も行いました。
またWordでは表の作成や文字飾りなども使いながら、お知らせ文書や資料などの作成を想定した課題の練習などを重ねました。
その他、Powerpointでの資料作成の方法など、就職後に業務で生かすことのできる内容の訓練を受けました。
これらの訓練は、一人の教官が教室内の訓練生全員に対して同じ内容の講義をする方式ではなく、訓練生それぞれが各自のパソコンに向かってそれぞれのペースで課題をこなしていくので、訓練時間中の訓練室はとても静かです。
そしてそれぞれの課題が終了すると、成果物を担当の教官にメールで送ったりプリントアウトして提出したりして、添削を受けるということを繰り返しました。
この職業リハビリテーションセンターの訓練では「JAWS for Windows」というスクリーンリーダーをインストールしたパソコンを使っていました。障害者リハビリテーションセンターでの訓練で使用したパソコンや現在使っているパソコンにインストールされている「PC-Talker」とは一部のキー操作が異なり、最初は戸惑う場面もありましたが、慣れてくると比較的順調に訓練をこなすことができるようになりました。

そして訓練機関も後半になると、訓練と並行して就職活動も本格化し、その中で現在働いている会社の存在を知り、自分に合った職場だと感じて応募し、晴れて入社することができました。

振り返ってみれば、スクリーンリーダーを使ってのパソコン操作ができるようになったことが、今の仕事やプライベートに大変生きていると思います。
そして、音声パソコンを使えるようになったことでこのブログを書くこともできるわけで、パソコンやスマートフォンなどにインストールされたスクリーンリーダーは、まさに視覚に障害のある人の可能性を大きく広げてくれたのだと改めて感じます。

次回(第10回)では、調理訓練などその他の訓練について書きたいと思います。

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