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ここでも特急充実の陰で・・・ [鉄道ニュース]

こんばんは、gonanaです。
今年の3月14日は、JR各社はもちろん多数の私鉄・三セク各社でダイヤ改正が行われます。
私の地元を走る西武鉄道も例外ではなく、昨日その3月14日ダイヤ改正の概要が発表されました。
主な内容は下記リンクの記事からどうぞ。

池袋線の特急がすべて001系「ラビュー」に 新宿線に快急復活 西武3月ダイヤ改正 (乗りものニュース)
https://trafficnews.jp/post/93349

池袋線の特急がすべて001系「Laview(ラビュー)」に置き換わるのは当初の予定通りですが、その他にも池袋線と東京メトロ有楽町・副都心線の直通列車が増発されたり、新宿線では8年前のダイヤ改正で消えていた西武新宿ー本川越間の快速急行が、土休日の下り2本だけとはいえ復活するなど、結構規模の大きい改正になりそうです。
しかし、私がこの改正の概要で衝撃を受けたのが、土休日の朝下りと夕方上りの2往復が運転されている池袋ー三峰口・長瀞間の2扉セミクロスシート車4000系による西武~秩父鉄道直通列車の運転区間が、飯能ー三峰口・長瀞間に短縮されてしまうという点。
池袋や所沢などから秩父鉄道線内へ乗り換えなしで直通でき、しかも特別料金不要で乗車できる便利さもさることながら、個人的には関東では数少ない2扉クロスシート車ということもあり、時間が合えば好んで利用していた列車だけに残念でなりません。
数年前に東武6050系(野岩鉄道・会津鉄道所属者も含む)による浅草ー東武日光間および東武~野岩鉄道~会津鉄道直通の快速が消滅したのは衝撃的な出来事でしたが、同じようなことがついに西部でも起こったということになります。
今回のこの措置は、おそらく池袋寄りでの2扉セミクロス車であるが故の混雑の問題や、今後のホームドア整備への対応、さらに製造後30年、機器類が流用された101系の新製から数えれば50年近くが経過した4000系の老朽化問題など、様々な要素が絡み合ってのことと思われますが、いずれにしても今でもかなり需要はあると思われる列車だっただけに何らかの形で池袋直通を維持できなかったのか、というのが個人的な感想です。

この池袋ー三峰口・長瀞間直通列車は、調べてみるとそのルーツをたどると、まだ西武秩父線(吾野ー西武秩父間)が開通していなかった1950年代から池袋ー吾野間で休日に運転されていた「ハイキング急行」にたどり着くことがわかりました。
このハイキング急行、まだ特急用車両のなかった当時の西武ゆえロングシートの車両での運転ではあったものの、列車ごとに沿線にちなんだ個別の列車名がつき、列車先頭にはヘッドマークもつくなど、特急が登場するまでの西武の数少ない華やかな列車だったようです。
昭和44年に西武秩父線が開通すると、ハイキング急行ももちろん西武秩父まで延長運転されるようになりました。その後も一時的に西武新宿線から直通のハイキング急行が走ったりしたこともあったようですが、私が物心ついて西武沿線に住むようになった頃には列車愛称は「奥武蔵」に統一されたようです。
ハイキング急行(列車種別は急行)は昭和55年3月のダイヤ改正で池袋線・新宿線とも列車種別の新設や再編が行われた際に列車種別が「快速急行」に変わったものの、101系をはじめとする当時の池袋線所属の一般車両が急行時代と同じ丸いヘッドマークを付けて走るのは変わりませんでした。
当時は本数も、下りは午前中、登りは夕方に集中して、不定期も含めて確か休日に6~7往復くらいが運転されていた記憶があります。
30数年前に発売されるようになった西武の時刻表には、通常の全列車掲載の紙面とは別ページに池袋方面から飯能ー西武秩父感覚駅へのハイキング利用に便利な列車だけを抜粋して掲載したページがあり(現在の野球開催日の臨時列車の時刻表に類似したもの)、このページでは快速急行は、「奥武蔵」の列車名こそ記載されてはいないものの、特急とともに色分けして時刻が表記されていて、特急とはまた違った意味で特別な存在というイメージでした。
長年ロングシート車で走っていたハイキング急行改め快速急行ですが、それが変化するのが昭和から平成に変わるころでした。
昭和63年に101系の機器を流用して2扉セミクロスの4000系が製造され、快速急行も多くが4000系の運転となり、同時に4000系の列車からはヘッドマークが消えてしまいました。その後もしばらくは101系(新101・301系含む)による快速急行は残ったようですが、ヘッドマークはいつの間にか付かなくなってしまったようです。
その後平成元年4月に西武池袋・秩父線と秩父鉄道の直通運転が始まり、休日には4000系の快速急行が2往復、池袋から直通してくるようになりました。その後いつの間にか池袋と秩父方面を結ぶ快速急行は秩父鉄道直通列車だけになり、さらに最近では列車種別も急行に格下げされて各停運転の区間が伸びたりといった変化があったものの、ルーツとなる列車から数えると60年もの歴史のあるハイキング急行・快速急行でしたが、東武と同様、特急充実の陰で、特別料金不要の2扉クロスシート車による都内から観光地への直通列車が姿を消すという事態になりました。

今回の西武~秩父鉄道直通列車の運転区間短縮は、おそらくは先ほども書いたような事情によるものなのでしょう。
ただ、新型車両への統一もあり特急への注目が集まっているとはいえ、飯能ー西武秩父間の特急通過駅からアクセスできるハイキングコースなども多いと思われ、そこへ行くために必ず飯能での乗り換えが必要というのはサービスダウンという気がします。
そして、秩父鉄道にとっても、都内や人口の多い所沢などからの特別料金不要の直通列車がある、そしてこれらの駅で三峰口や長瀞という駅名がアナウンスされるということは、大いにプラスになるのではないかと思います。
そういったことを考えると、近い将来4000系の置き換えを行う際には、40000系(クロス⇔ロング変換可能車)をベースにした4両編成単位の4扉セミクロスシート車を新製すれば、現在の4000系と同様な運用方法でもホームドア問題は容易に解決可能だし、池袋寄りでの混雑も緩和され、さらに池袋ー秩父方面の列車では一部車両を「Sトレイン」のような指定席車両とすれば、座って三峰口や長瀞へ行きたいというニーズも満足させることができるのではないでしょうか。

いずれにしても、これまで何度も乗車した4000系の直通列車ですが、池袋発着が消滅する前にぜひもう一度乗りたいと思っています。
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