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西武多摩川線 旧101系223Fお別れ乗車&撮影の思い出 その1 [その他鉄道ネタいろいろ]

こんにちは、gonanaです。
前回の記事では、2010年11月6日に行われた、JR隅田川貨物駅での貨物フェスティバルの思い出を書きましたが、今回はその日の午後に、西武多摩川線で運用され、同線からの引退による消滅が目前に迫っていた西武101系の初期製造車(先頭車前面が低運転台構造のグループ、以下「旧101系」と略します)のお別れ乗車と撮影に出かけた時の思い出を振り返ります。

西武旧101系は、1969年から76年にかけて製造された車両で、1979年以降に製造され今も一部が西武戦で活躍を続けている新101系とともに、かつては西武鉄道の主力通勤車として活躍した車両でした。
製造時からレモンイエローと薄茶色のツートンカラーの塗装が施され、現在も根強い「西武線=黄色い電車」のイメージを定着させた車両でもあります。

私にとってのこの旧101系は、西武池袋線沿線に引っ越してきた約45年前から馴染み深い、いわば「幼なじみ」ともいえる車両でした。
私が引っ越してきた当時の池袋線では、101系以前のいわゆる「赤電」と呼ばれる各形式もまだまだ活躍していましたが、やはり黄色の旧101系は目立つ存在でした。
前面窓が大きく、しかも子供でも運転室直後に立ったり座席に座ったりすることで前方展望が堪能でき、西武線の中でも好きな車両の一つでした。
その後も通勤通学などいろいろな場面で旧101系のお世話になる時代は長く続きましたが、やがて新2000系以降の新系列社の登場や他の形式への部品供給などで旧101系も廃車が進み、最後には多摩川線(武蔵境ー是政間)に4編成が残るだけになっていました。
その4編成も、同線に新101系が投入されるにつれて次々と運用を離脱し、2010年の11月には最後の1編成(223編成、以下223Fと表記します)が残るだけになり、その223Fも11月9日の運用を最後に引退することになったということで、「幼なじみ」の電車の最後の姿を撮影し、乗車することにしました。

昼過ぎまで隅田川駅でのイベントを楽しんだ後、南千住駅から常磐線・山手線・中央快速線を乗り継いで14時過ぎに多摩川線の始発駅武蔵境駅に到着。
さっそく連絡改札を通って多摩川線ホームへ向かいます。
この日の時点での多摩川線の運用は、新101系3編成と旧101系223Fの4編成で賄われ、日中にはそのうちの3編成が運用されていました。
せっかくお別れにやってきても動いていなければ無駄足になるところですが、幸い私が多摩川線ホームに上がると、すぐに223Fが到着しました。
その223Fの両先頭車にはそれぞれ特製のヘッドマークが掲げられており、武蔵境方先頭のクハ1223には「ありがとう黄色い電車」、是政方先頭のクハ1224には「さよなら黄色い電車」の文字がそれぞれ添えられていました。
旧101系の後を引き継ぐ新101系が、当時白一色のボディーに沿線の指揮を表すラッピングを施した「白い電車」だったので(現在は各種のリバイバルカラー編成や地方私鉄カラーの編成も使用)、「旧101系」とか「223F」ではなく、「黄色い電車」という、特に鉄分の濃くない人でも親しみやすい表現にしているのでしょう。
この223F引退の約半月前にはやはり日々武蔵境駅に出入りしていた中央快速線の201系も引退しており、同駅にとってはJRと西武の違い、あるいは片や53年、片や30年という歴史の差こそあれ、長年当たり前に発着していた「オレンジ色の電車」「黄色い電車」との別れを相次いで迎えることになりました。

ホームに停車する223Fの姿を撮影したら、その後はもちろんこの223Fに乗車して多摩川線の終点是政を目指します。
乗車したのは是政方先頭のクハ1224。もちろん迷うことなく運転室直後の座席に座りました。
高架の武蔵境駅を発車してやがて地上に降り、是政駅まで「かぶりつき」を楽しみます。
運転室背面の大きな窓から眺める運転台は、細かな機器配置などは多少変わっているのでしょうが、幼い頃から何度も眺めたそれとほとんど変わりません。
そしてその向こうの前方展望の楽しみも、あの頃と全く変わらないものでした。
223Fの引退により、座席に座っての「かぶりつき」ができる車両が西武線の営業線上から姿を消してしまうということで、昔を思い出しつつ窓から見える風景を目に焼き付けながらの短い旅となりました。

是政駅に到着後、武蔵境へと折り返していく223Fを見送り、しばらく駅付近をぶらついたのち、30分ほどしてまた是政に戻ってきた223Fに再び乗車。
引退間近の223Fにお別れ乗車をするという目的はひとまず果たせたので、このまままっすぐ武蔵境へ戻ってしまってもよいのですが、せっかく「幼なじみ」の最後の姿を見届けに来たのにすぐ帰るのももったいない気がして、せめて一枚だけでも223Fの走行写真を撮っておこうと、途中の白糸台駅で下車。
武蔵境へ向けて発射していく223Fを見送り駅の外へ。
駅に隣接する多摩川線の白糸台車両基地に停車している新101系をホームや敷地外から撮影しながら時間をつぶし、やがて武蔵境から戻ってきた223Fの走行シーンを駅近くの踏切から撮影。
窓周りの薄茶色部分のない黄色一色塗装の姿なのが少々残念ではありましたが、ともかく旧101系の走行する姿を目に焼き付けておくことができて満足でした。
そして、再び是政から折り返してきた223Fに武蔵境まで乗車し、この日のお別れ乗車は終了しました。
この日は土曜日で、お別れヘッドマークを付けての運転であったにもかかわらず、少なくとも私の見た限りではお別れ乗車や撮影にやって来たと思われるファンの姿はあまり見かけず、比較的のんびりと「幼なじみ」との時間を過ごすことができました。

「その2」では、223Fの最終営業運転の日に再びお別れ乗車した時のことを振り返ります。
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あおたけ

西武の101系といえば、
いまも新101系が現役ではあるものの、
やはり私も低運転台の旧101系が馴染み深いです(^^)
最後まで旧101系が残っていた多摩川線、
ヘッドマーク付きは私も撮影に行きました。
いつもは地味な多摩川線がこの時ばかりは
沿線が多くのファンでにぎわっていましたね☆

by あおたけ (2020-12-06 16:01) 

gonana

あおたけさん、こんにちは。
私にとっての西武電車のイメージは、今も旧101系のような、前面2枚窓を細い間柱でつないだスタイルの「西武顔」ともいえる前面を持つ車両たちです。
その中でも旧101系はお気に入りの車両でした。
新101系を初めて見た時には、高運転構造で前面窓が小さいのがどうも気に入らなかったです。
それまでの形式のように座席に座っての「かぶりつき」がしにくいうえ、背が小さいので運転室背後の窓から前方を見ようにも届かなかったのが主な理由でした。
そんな新101系にも遠からず引退の日が来るんでしょうね…
by gonana (2020-12-06 16:37) 

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