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2012年夏 北海道遠征の思い出 その11 [その他鉄道ネタいろいろ]

こんにちは、gonanaです。
今回も2012年夏に北海道で鉄道旅をした時の思い出の振り返りの続きです。

北海道遠征4日目の2012年8月10日は、朝ホテルをチェックアウトしてまずは函館市電を少し撮影してから函館駅へ。
そしてこの日乗車するのは、この年夏の臨時列車として4日前から走り始めたばかりの札幌行臨時特急「ヌプリ」。
この列車の特徴は、運転区間のうち長万部―札幌間を、「スーパー北斗」など他の特急・急行の室蘭本線経由(東室蘭・苫小牧経由)ではなく函館本線のいわゆる「山線」経由(倶知安・小樽経由)で運転すること。
愛称こそ異なるものの、運転経路だけならかつて定期運転されていた特急「北海」のリバイバルともいえる列車でした。
ちょうど北海道遠征をすることに決めたタイミングでこの列車の運転が発表されたので、未乗車だった函館「山線」の踏破もできて一石二鳥とばかり乗車することにしました。
ちなみに愛称の「ヌプリ」とはアイヌ語で「山」を意味する言葉で、沿線にそびえる羊蹄山や駒ケ岳に由来して名付けられたそうです。

「ヌプリ」の列車別改札が始まりホームへ出ると、すでにスラントノーズ形前頭のキハ183形を両先頭に連結したキハ183系4両編成がすでに入線していて、これが「ヌプリ」になります。
スラントノーズのキハ183形を生で見るのも久しぶりで、欲を言えば国鉄特急色リバイバル塗装車だったらもっとよかったのに…などとついつい考えてしまいました。
側面の行先幕や前面愛称幕の絵入りヘッドマークも、「臨時」幕ではなく専用のものがちゃんと用意されていて、久しぶりに設定された山線経由の特急列車に対する力の入れようが感じられました。
またホームの発車案内にはしっかりと「ヌプリ」の列車名と「小樽経由」の文字が表示され、駅や車内の案内放送でも「ヌプリ」が東室蘭・苫小牧・南千歳等を経由しないことが繰り返し案内され、「スーパー北斗」「北斗」との誤乗防止に気を配っていることがうかがえました。
こんなところからも、函館―札幌間の鉄道利用では室蘭線経由が当たり前になっている事実を実感させられました。

「ヌプリ」は11:43、函館駅を定刻に発車。
この列車は臨時列車であるためか、特急でありながらかなりゆったりしたダイヤが組まれており、例えば函館―長万部間では「スーパー北斗」「北斗」なら1時間10分台、客車列車の「北斗星」「はまなす」等でさえ1時間40分台で走るにもかかわらず、「ヌプリ」はなんと2時間10分もかけて結んでいました。
その背景として、時間調整や単線区間での交換待ちのため途中の主要停車駅のほとんどではニセコ駅の30分を最長に、比較的まとまった停車時間がとられていることがあります。
そのため、乗車しているとまるで長距離ドン行の旅を楽しんでいるかのような気分を味わうこともできました。
車内では車掌による通常の車内放送とは別に、女性乗務員による車窓などの案内もあったほか、長万部からの山線区間の停車駅のホームでは、停車時間を利用して地元の方々による名産品の販売が行われたりと、単なる都市間移動のための列車というより観光列車的要素も盛り込んだ列車という感じでした。
私も停車時間にはホームに降りてみたり、函館駅で購入した駅弁を食べたり、ちょっと居眠りしたりして、乗っていてなかなか楽しめる列車でした。

18:29、「ヌプリ」は終着の札幌駅に定刻到着。
乗車した4号車(自由席)に限れば函館から札幌まで、ほぼ全区間を通して乗車率はそう悪くはない感じでした。
単純に函館―札幌間の所要時間だけで比較すれば、「スーパー北斗」「北斗」の倍以上の時間はかかるものの、乗車してみての印象としてはGWから初秋あたりにかけての多客期なら「ヌプリ」のような列車にも意外に存在価値はあると感じました。
「ヌプリ」は翌年以降も、運転形態や運転期間を幾たびか変えたりしながら数年前まで運転されていました。
最近は「ヌプリ」の設定もないようで、それどころか北海道新幹線札幌延伸後の函館「山線」がどのような姿になるのかも不透明な状況ではありますが、できればまた「ヌプリ」のような観光列車的な要素を持ちつつ気軽に乗車できる「山線」経由の特急列車をまた走らせてほしいものです。

さてこの後、当初の予定では札幌駅構内や周辺で時間をつぶした後、その夜の「はまなす」で北海道を離れる予定で未乗車だった「ドリームカー」の指定席も確保していたのですが…
体調の方がまだ本調子とはいいがたい感じだったため、ひとまずこの日は前々日から前日にかけて泊まったビジネスホテルに再び泊まることにし、残念ながら「はまなす」乗車は断念することにしました。
結果的に札沼線の廃止区間だけでなく「はまなす」も「リベンジ乗車」の機会を得られないまま廃止という結末に至ってしまいました。
本当に、埼玉と北海道の気温差にやられてしまった自分の体調が悔やまれてなりません。

次回に続きます。
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