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夜行特急「ドリームにちりん」乗車の思い出 [その他鉄道ネタいろいろ]

こんにちは、gonanaです。
時折、今はなき列車を中心に過去に乗車した時の思い出を書いていますが、今回は2011年3月まで九州の鹿児島・日豊本線で運転されていた夜行特急「ドリームにちりん」に乗車した時の思い出です。

この「ドリームにちりん」は、1993年3月のダイヤ改正で登場した、博多ー宮崎空港間を鹿児島本線・日豊本線経由(小倉・大分経由)で結ぶ夜行の特急列車で、同ダイヤ改正まで同じルートで博多ー西鹿児島(現在の鹿児島中央)間を結んで走っていた夜行急行(宮崎ー西鹿児島間は普通列車)の「日南」号を特急に格上げする形で誕生しました。
2009年3月に東京発のブルートレイン「富士はやぶさ」が廃止されてからは九州唯一の夜行列車になっていましたが、「ドリームにちりん」も2011年3月のダイヤ改正でひっそりと廃止されてしまいました。

そんな「ドリームにちりん」に私が乗車したのは、確か2003年の夏のことでした。
この時は、会社の夏休みを利用しての九州への鉄道旅に出かけており、その3日目の夜に博多・小倉を出る下り列車に乗車しました。
その日の日中は、前夜の宿泊地の鹿児島から特急「きりしま」で宮崎まで出た後、日南線で志布志まで往復、さらに同線から分岐して宮崎空港駅へ向かう宮崎空港線の乗り鉄を楽しみました。
その翌日は、当時延岡ー高千穂間を結んでいた第三セクター鉄道高千穂鉄道に乗車した後、日豊本線で大分まで出て豊肥本線へ乗り継ぎ、熊本まで向かう予定にしていました。
ただ、このルートでの乗り継ぎ時刻を調べたところ、各線の接続が上手くいく組み合わせがなかなかなく、結局延岡を朝6時過ぎに出る高千穂鉄道の高千穂行始発列車に乗るのがベストであることがわかりました。
そのため、日南線などを乗り鉄した日は延岡駅前のビジネスホテルに泊まることも考えましたが、万が一寝坊して始発を逃すリスクも考え、「ドリームにちりん」で車中泊しながら延岡へ向かうことにしました。
この鉄道旅では、当時発売されていた周遊きっぷ「九州ゾーン」を利用していたので、九州内の在来線特急の自由席を特急券なしで利用でき、宿泊代を節約できるメリットも考えての選択でした。

志布志駅から日南線で到着した南宮崎駅で485系の特急「にちりん」で23時過ぎに小倉駅に到着。
夜遅くでもまだまだそれなりに活気のあるホームで博多からやってくる「ドリームにちりん」を待ちます。
23:45頃に定刻通り783系の「ドリームにちりん」が到着。途中駅からの自由席乗車でしかも小倉駅から乗車する人も結構いたので座席が確保できるか不安でしたが無事確保。そして23:50過ぎに進行方向を逆転して小倉駅を発車しました。
発車してもしばらくは主要駅にこまめに停車していき、スピードも「ソニック」ほどではないにしろそこそこの速度で走ります。
実はこの「ドリームにちりん」は、博多や小倉と日豊本線沿線の主要駅との間の深夜の移動手段というだけでなく、博多ー大分間や宮崎県内の特急列車の最終列車・始発列車としての側面も持ち合わせていて、さらに小倉では新幹線「のぞみ」の下りの最終・幟の始発に接続することで本州への足にもなっていました。

暗くてほぼ何も見えない窓の外を眺めながらぼ~っと座っているうちに、1時半頃にまだ地上駅だった大分駅に到着。
ここで下り「ドリームにちりん」は何と約2時間停車しました。
これは何かの理由で先へ進めず運転見合わせとなったわけではなく、初めからダイヤ上設定された長時間停車でした。
その理由はもともと運転距離が短めなことと、上記にも記したような「ドリームにちりん」のダイヤっ設定との関係で、博多ー大分間と宮崎県内で利用しやすいダイヤにするための時間調整のためでした。
それほど眠気もなく、2時間も動かない列車内でじっとしているのもつまらないので、ホームに出てなかなか味わえない深夜の駅の雰囲気を味わうことにしました。大分駅で下車する人もそれなりにいたようですが、私と同じように長い停車時間を列車の外に出てつぶすといった感じの人も多かったようでした。
ホームをぶらぶら歩いたり、ホーム上にあるホットスナックの自販機でアメリカンドックを買って食べたりしてもまだまだ時間があるので、フリーエリア内は途中下車し放題の周遊きっぷの利点を生かして改札の外へ。深夜2時というのに営業していてお客さんも数人いる駅構内のコンビニで朝食用の菓子パンなど買ったり、駅前をぶらぶら歩いたりしてここでも時間をつぶしました。
しばらく外をぶらぶらして再び改札を入った頃には、博多へ向かう幟の「ドリームにちりん」もホームに停車していました。上りも下りほどではないものの大分駅では約1時間の停車時間があり、深夜にもかかわらず駅のコンビニが営業しているのも納得というところでした。

列車に戻り、荷物に留守番をさせていた座席に再びつくと、さすがに少し眠気が出て、定刻通りだったと思われる大分駅発車には気づきませんでした。
下車予定の延岡の1つ前の停車駅佐伯を出てしばらく走ったあたりで目が覚めました。延岡到着まではまだ40分ちょっとあったと思いますが、ここでまた眠ってしまって延岡でおり損ねてしまっては意味がないので、ここから延岡到着まではデッキに立って過ごしました。
そして5:20頃?に延岡駅に到着し、無事下車しました。そして予定通り高千穂鉄道の始発列車に乗って終点の高千穂駅を目指しましたが、やはり夜行列車であまり眠れなかったのと当日が雨だったせいもあり、車内ではかなりの部分で眠ってしまい、せっかく乗りに来たにもかかわらずあまり高千穂までの往復の車窓を味わうことができませんでした。
次回九州を訪れた時にはぜひリベンジを、と思っていた矢先の2005年に高千穂鉄道は台風被害にあい、その復旧も叶わずに廃止となってしまいました。
そう考えると、最初で最後の乗車になった「ドリームにちりん」に乗れたことをよかったと思うか、それともおとなしく延岡に泊まるべきだったのか、悩ましいところです。
いずれにしても、今はもう「ドリームにちりん」も高千穂鉄道も過去の存在となってしまったのは寂しいところです。

さて、今回この「ドリームにちりん」の思い出を記そうと思ったのは、下記のリンクにある記事を例によってネットで見つけたのがきっかけでした。

夜行急行「日南」号がよみがえる JR九州、415系セミクロスシート車での最後のツアーを9月に開催 (ねとらぼ)
https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2208/12/news148.html

今回ツアー列車としてリバイバル運転される夜行急行「日南」は、先ほども書いたように「ドリームにちりん」の前身にあたる列車です。
私にとって「日南」といえば20系や24系25形寝台車と12系座席者による客車編成のイメージが強いですが、これを再現しようにも今となってはJR九州にはリバイバル運転に適した客車や機関車はもうないので、次善の策として急行形電車で運転されていた昼行の「日南」の雰囲気が味わえる415系セミクロスシート車が起用されることになったということでしょう。
それにしても、特急でも8~9時間を要する門司港ー鹿児島中央間を均衡型電車で乗り通すのは、なかなかハードな道中になりそうな気がしますが…
それでも日豊本線の全区間を415系が走るという、今後あるかどうかというレアな列車だけに、乗り鉄的にも撮り鉄的にも魅力的な列車でしょうね。
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