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久大本線12系客車普通列車乗車の思い出 [その他鉄道ネタいろいろ]

こんにちは、gonanaです。
今はなき列車の乗車体験記シリーズ、今回は九州の久大本線を走っていた12系客車による普通列車に乗車した時の思い出です。

久大本線は、鹿児島本線の久留米駅から分岐して日田・豊後森・湯布院などの駅を経由して日豊本線の大分駅とを結ぶ九州横断鉄道の一つであり、人気の観光列車「ゆふいんの森」の運転ルートでもあります。
その久大本線にはJRの時代になっても青い12系や赤い50系による客車の普通列車が残っており、当時の九州でも貴重な存在になっていました。
そんな久大本線の客車列車も、いつ気動車化されてもおかしくない状況と知り、1997年の夏に九州へ行った際に乗ってみることにしました。

九州への鉄道旅の3日目の朝、あいにくの雨の中、前夜宿泊した博多駅近くのビジネスホテルを出て鹿児島本線の快速で鳥栖駅へ向かいました。
ここから乗車するのがこの日の最大の目的である鳥栖(確か)10:00頃発の12系普通列車でした。
久大本線の起点は久留米駅ですが、この列車はそこから2駅博多寄りにある鳥栖駅が始発でした。
さらにこの列車は、時刻表上は鳥栖ー豊後森間の運転ということになっていましたが、実際には豊後森で列車番号を変えてそのまま大分駅まで約6時間をかけて直通運転するという、客車列車を楽しむにはうってつけの列車でした。
9:30頃?、国鉄色のDE10を先頭に入線してきた豊後森行は、狙い通りの12系客車4~5両の編成。
その12系は青い車体に白帯2本という製造当時のままの姿なのはうれしかったのですが、車体には黒い汚れ?の筋が屋根から縦方向に何本も伸びていて、せっかくの国鉄時代を思わせる姿に水を差している感はぬぐえませんでした。
この時期の久大本線の12系客車の中には、以前夜行急行「かいもん」「日南」やスキー臨時列車「シュプール号」などで活躍していたリクライニングシート装備の車両もあったようですが、私が乗車した列車は全社が原型のボックスシートの車両だったと記憶しています。
発車まで少し時間はありましたが、入線後ほどなくしてドアが開いたのでとりあえず適当な車両に席を確保し発車を待ちました。
やがて消えたままだった車内灯も転倒し、車掌さんによる社内放送も始まりましたが、そこで告げられたのは、何と乗車した車両の冷房が故障しているという事実。
まあ、仮に冷房が効かなくても、12系客車は窓が開くので、晴れていればそれはそれで窓を大きく開けて客車の旅を楽しむことができる絶好のチャンスと考えることもできたでしょうが、外は雨、しかも朝ホテルを出た時よりも降り方が激しくなってきているような状況ではそうもいきません。
ただ雨のせいで当日は気温がそれほど高くならなかったようで、暑さはほとんど感じませんでしたが。

定刻の10時頃になって、DE10+12系の豊後森・大分行は鳥栖駅を発車し、鹿児島本線を2駅分走って久留米駅から久大本線に入りました。
客車の車内は昼間のローカル列車らしく乗客も1両に数人という状況で、堂々とボックスシートの向かいの座席に靴を脱いだ足を投げ出して座ることができました。
相変わらず窓の外では雨が激しく降り、少し風も出てきたようでした。
久大本線などの九州横断の路線は、今の肥薩線がそうであるようにたびたび豪雨災害での長期間の不通を余儀なくされていて、久大本線も確かその数年前に豪雨による長期不通があったこともあり、どこかで大雨による足止めを食らう事態にならないかという不安が頭をもたげてきました。
久大本線の主要駅の一つの日田駅には昼前に到着。
列車はここで40分ほど停車。ここまで乗車してきた人の多くがここ日田で下車するらしく、到着後すぐに私の乗る車両の乗客は私一人だけに。
そして停車時間が長いからか車内灯も再び消えて、何となくこのまま車内で発車を待っていずらい感じになってきたので、一旦改札を出ることにしました。といってもこの雨では駅の外に出て街歩きもできず、待合室のベンチで地元の人と一緒に時を過ごしました。
やがて乗車中の豊後森・大分行の発車時刻が近づいて再び改札を入り、もといた座席に戻っったところで日田を定刻に発車。日田駅で購入した駅弁(どんなものだったかは残念ながら覚えていませんが)を食べながら引き続き客車の旅を楽しみました。
その先の豊後森駅でも長めの停車時間があり、列車番号も変更した12系普通列車は、16時頃にまだ地上駅だった終着の大分駅に到着。
激しい雨で一時はどうなることやらと不安だった久大本線の旅も無事終わり、6時間にわたる客車ローカル列車の旅を堪能できて満足の一日となりました。

この久大本線の客車列車もその数年後にはすべて気動車化され、それどころか今では客車による列車といえばほぼ特別なイベント列車やSL列車でしか体験することのできない超希少な存在になってしまっています。
私自身、ローカル客車列車がまだ盛んに走っていた時代にそれらの列車に乗りに行く経験ができなかったことは今でも悔やまれてなりません。
でも、こうしてのんびりと客車で旅をする経験がわずかとはいえできたのは、非常によい思い出です。
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