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購買部のおばちゃん [いろんな思い出]

こんばんは、gonanaです。
先日、大手コンビニがいわゆる「食品ロス」対策の一つとして、消費期限の迫った弁当やおにぎりなどについて、ポイント還元による実質的な値下げを行うことで購入を促す取り組みを始めるというニュースが話題になりましたが、私はこのニュースを聞いて、通っていた大学の購買部(私のいた大学では、講義に関連する書籍や文房具などを販売する学内の売店をこう呼んでいました)の店員をされていたある女性とのエピソードを思い出しました。

私は大学入学以来、講義のテキストやレポート・試験の参考書、文房具を購入するのはもちろん、弁当やサンドイッチ、お菓子などを買ったり、時には買う物がなくても暇つぶしに覗いたり、とにかくよく購買部に足を運んでいました。
購買部の店内では、交代でいつも1~2人いる女性の店員さんと親しげに話す学生や教授などの姿もよく見かけていましたが、私は最初のうち、店員さんとは挨拶を交わすくらいでそれほど会話を交わすことはありませんでした。
しかしある日、一人の店員さん(仮にMさんとします)と初めて少し話す機会がありました。
Mさんが私がどこから通っているのかと聞いたので、埼玉県の某市からと答えると、「そうなの?私、子供の頃飯能に疎開していたことがあるの」とMさんが意外な反応をしてくれました。
この時点ですでに戦後45年を過ぎており、Mさんが疎開をしていたとすれば少なくとも今の私くらいの年齢以上だったのでしょうが、Mさんはそれが信じられないような若さを感じる女性だったので驚きました。
その後は昔の飯能の話や私の住んでいる市のことなどに花が咲き、単にレポートの課題で使う本を買うだけのはずが、気付いたら20分近くもレジの前で話し込んでしまいました。
それからというもの、購買部でMさんと顔を合わせると、一言二言会話を交わすのが楽しみになりました。飲食店の店員さんと常連さんの関係性とはまた違いますが、Mさんがいるというだけで購買部に行くのが楽しみになったのは確かです。

それからしばらく経ったある日、ノートを買いに夕方4時頃に購買部へ行くと、いつものようにMさんに声をかけられたのですが、その時に「お昼のサンドイッチが2個売れ残っちゃったから、2個で50円で買ってもらえる?」と言われました。サンドイッチやパンの棚を見ると、1個130円で売っているハムサンドとたまごサンドが1個ずつ棚に残っていました。
私としてはサンドイッチは好きですし、ちょうど小腹もすいていたので断る理由はなく、喜んで買わせていただきました。
Mさんは私が遠距離通学をしているのも知っていたので、もし私が来たら頼もうと思っているところだったようでたいそう喜んでくれ、追加でコーヒー牛乳のパックもおまけしてくれました。
もちろんその2個のサンドイッチは帰り道の総武線快速113系のボックスシートでおいしくいただきました。小腹が満たされただけでなく、何だか気持ちまでハッピーになる出来事でした。
当時購買部のレジには、この時代のコンビニやスーパーでは当たり前に導入されてきていたPOSシステムが導入されていなかったのでこのようなこともできたのかもしれませんが、いずれにしてもいろいろな意味でうれしい出来事でした。

その後も、Mさんだけでなく他の購買部の店員さんともあれこれ言葉を交わす場面が卒業までの間よくありました。
大学卒業の日、卒業式後に同じゼミやサークルの仲間とひとまず最後となる顔合わせをし、その後購買部へも最後の挨拶に向かいました。
店内にはMさんはじめ店員さんが数人そろっていて、「卒業おめでとう!」の声とともに心のこもったメッセージの入った小さなカードもいただきました。カード自体は他の卒業生にも配っていたようですが、4年間よく顔を合わせていた方からの卒業のお祝いはやはりとても思い出に残るものでした。
大学卒業からもうほぼ四半世紀、Mさんも結構なお歳になられたのではないかと思います。今はもう私のことなど忘れてしまったかもしれないけれど、もし再会できるようなことがあれば当時の思い出話でも出来たらと思います。

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