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【自立訓練の日々 その5】歩行訓練② [視覚障碍者としてのあれこれ]

こんばんは、gonanaです。
「自立訓練の日々」第5回です。ちなみに第4回は
https://gonana57.blog.so-net.ne.jp/2019-06-13
です。

室内での訓練で、とりあえず白杖を使っての単独歩行の基礎中の基礎がつかめたところで、いよいよ「実践編」というべき屋外での歩行訓練に入ります。
といっても、いきなり一般の公道上での訓練に入るのではなく、まずは国立障害者リハビリテーションセンターの敷地内での訓練です。
以前の記事でも書いたとおりセンターは広大な敷地にあり、その中には車道部分と歩道部分がはっきり分かれた通路というか道路があり、そこで一般の公道と似た条件で訓練をすることになりました。
この歩道は、視覚障害のあるセンターの利用者の日常的な通り道にもなっているので点字ブロックが設置されていて、ここでの歩行訓練は白杖で点字ブロックを確認しながら歩く訓練にもなります。
そして、数日間の敷地内での訓練で一通り経験を積むと、いよいよ公道上に出ての訓練に入ります。
歩行訓練のコースはそれぞれの訓練生によっても違うようですが、私のコースは、センターの訓練棟・寮の出入り口からスタートし、敷地内の歩行訓練でも行き来した歩道を通って敷地外へ出て、歩道橋や信号のある交差点なども通りながら西武新宿線新所沢駅まで歩くというものでした。
まずは、歩行訓練の先生でもある私の担当ワーカーさんのWさんの手引き(腕につかまる)でコースを一通り歩き、Wさんの説明で経路上の特徴をつかむことから始まります。
それが終るといよいよこのコースでの単独歩行の練習に入ります。いきなりコース全体での練習とはならず少しずつ距離を伸ばしながらの訓練となりましたが、これまでの訓練では一回に歩く距離も2~300mくらいだったのが、コース全体を歩くと1kmちょっとの距離となり、これを一回の訓練で1~2往復します。
この訓練ルートは、国立障害者リハビリテーションセンターの利用者の新所沢駅からの歩行ルートにもなっているので、ほぼ全区間にわたり歩道上に点字ブロックが整備されているので、それを白杖で確認しながら歩く分にはそれほど歩きにくいルートというわけではありません。でも、交差点などで点字ブロックが途切れる部分では、道路を渡って再び点字ブロックを見つけるのに苦労することが多く、慣れるまでに時間を要しました。
また、コース途中には交通量の多い車道を渡る信号機付きの交差点があります。ここにある信号機には鳥の鳴き声のする方向で現在青信号になっている方向を示すタイプの音響信号が備わっていて、交差点の前後の歩道上の点字ブロック同士をつなぐようなガイドが横断歩道上に敷設されてもいますが、やはりここは訓練コース上でも最大の難関でした。点字ブロックのない場所をまっすぐ歩くのは難しく、何度も横断歩道から外れて交差点の真ん中に出てしまうなど、交差点をスムーズに渡れるようになるまでには少し時間がかかりました。
こうして、悪戦苦闘しながらも2か月半ほどでどうにかセンターと新所沢駅の間を白杖を使って単独歩行できるようになりました。この訓練コースは、今も通院など障害者リハビリテーションセンターに出かける時に通るルートです。歩くたびに歩行訓練を始めたころのことが思い出され、ある意味で自立訓練を始めたときの初心を思い出す場所でもあります。これからも、その気持ちを忘れないでいたいと思います。

さて、点字ブロックの整備された歩道上を歩く練習は積み増したが、現実には街中といえども点字ブロックのない道もまだまだ多いので、そういった道を歩く際の歩き方の訓練も当然必要になってきます。
次回(第6回)では、そうした道での歩行訓練について触れたいと思います。

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