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【自立訓練の日々 その6】歩行訓練③ [視覚障碍者としてのあれこれ]

こんばんは、gonanaです。
「自立訓練の日々」第6回です。ちなみに前回(第5回)は
https://gonana57.blog.so-net.ne.jp/2019-06-16
です。

前回も書いたように、おおむね全区間にわたって点字ブロックが敷設された歩道上を白杖を使って歩く訓練は、ひとまず完了といえる状況になってきました。
しかし、これからの日常生活や通勤などの外出時などでは点字ブロックのない道を歩かなければならないことが圧倒的に多いのが現実です。そのため、そういった道を歩く時の歩行のしかたについても身につけておく必要があります。
そこで、前回書いたコースでの歩行訓練がだいぶ完成に近づいたころから、それと並行して、点字ブロックが路上に敷設されておらず、しかも車道と歩道の区別がない住宅地の道路を使っての歩行訓練も始まりました。
訓練は、西武新宿線新所沢駅にほど近い住宅地にある道路で行いました。大通りからその道路の分かれる交差点をスタート地点とし、家や商店のブロック塀や側溝のふたなどを白杖で手掛かりにしながら歩き、横断歩道はあるが信号機のない交差点を3カ所渡り、2~300mほど歩いたところをゴールとするルートを一回に数往復しました。
実際に住宅地の道路を歩いてみると、目が見えていた頃には道を歩くうえでそれほど気にも留めなかったこと、特に路上に止められた自転車や車などがいかに視覚障害者が道を歩く上で障害になるかを身をもって知ることになりました。
また、これも目が見えていた時には気付かなかったことですが、最近は交差点部分の宅地の角が直角でなく斜めにカットされたような形状になっていることが多く、そのため白杖で交差点の角を認識しずらく、直進すべき場所で角を曲がってしまったり(その逆も)するなど、見えなくなったからこその「気付き」も多く得られました。
こうした難関もあって、最初のうちはなかなかスタート地点からゴール地点までスムーズに歩いていくことが難しかったですが、これも訓練を積んでいくごとに少しずつですが解決されていきました。
さらに、自立訓練機関の最後のほうでは、今後の自宅からの通勤や外出に備えて、自宅から最寄りの駅までのルートを使っての歩行訓練も行いました。
目が見えていた頃は何も考えずに普通に歩いていた道も、いざ目が見えず白杖を頼りに歩くとなると想像以上に視覚障害者にとって歩きにくい道であるかを思い知らされることになりました。最寄り駅の狭い駅前広場以外は点字ブロックが全くなく、自宅から駅までのルートの途中には交通量の多い県道を音響信号のない交差点で渡る必要があるなど、これまでの歩行訓練の中で最も難易度の高いルートでした。
現在は、比較的歩く頻度の高い道に関してはあまり不安を感じずに歩けるようになりましたが、まだまだ初めての場所などは単独歩行に不安を感じる場面も多々あります。慣れた道こそ思わぬ落とし穴が待っていることに注意しなければならないことを考えれば、単独歩行する際にもある程度の不安な気持ちはどこかに持ち続けていたほうがよいのかもしれませんが、それでも視覚障害があってもできる限り一人で自由に歩き回ることのできる範囲をこれからも積極的に広げて行きたいと思っています。

次回(第7回)は、駅構内での単独歩行の訓練について書きたいと思います。

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