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【自立訓練の日々 その11】自立訓練中の食事 [視覚障碍者としてのあれこれ]

こんばんは、gonanaです。
「自立訓練の日々」第11回です。前回(第10回)は
https://gonana57.blog.so-net.ne.jp/2019-06-30
です。

今回は自立訓練中の、寮生活も含めた日々の食事についてです。
以前も書いたとおり、障害者リハビリテーションセンターに入所してからの大半の期間、私はセンター内の寮で生活していたので、基本的に三度の食事はセンター内の訓練棟内にある大食堂でとりました。
食堂の内部は、社員食堂や学生食堂などによくありそうなレイアウトで、セルフサービス方式のカウンターで料理を受け取り、長テーブルが何列か並んだ中にある自分の席(訓練生ごとに位置が決められています)まで自分で運び、食べ終わったら空いた食器などを返却場所まで運んで終了という、これまた社員食堂などでもよくみられる方式の食堂でした。
しかし、利用者のほとんどが障害を持つ人々であるだけに、普通の大食堂とは違う部分もいろいろとあります。
席の配置は障害の部位などで場所がわけられていたようで、視覚障害者の訓練生用の場所以外の状況はほとんどわかりませんが、わかる範囲でその違いを書きます。
まず視覚障害者が利用する部分の床には、通路の一部に点字ブロックの敷かれた部分があり、食事受け取りのためにカウンター前で並んだり、食堂内を歩くときにはこの点字ブロックをガイドにして歩くことになります。食事の配膳待ちの列の先頭に当たる位置など、目印となる位置の点字ブロックは道路と同じように点状の突起がいくつもあるブロック(他は線上の突起が数本あるもの)となっていて、これも点字ブロック状を歩く時のガイドになります。
ただし、食堂内は、というより訓練棟の中では基本的には白杖を使えないので、食堂内で歩くときには足の裏の感覚を鋭敏にしておくことが重要です。また食事受け取りカウンターから自分の席への移動や、食後に返却口や出口に向かう時も、点字ブロックを歩く時の歩数やブロックの形状の変化を頭の中で記憶して歩かなければなりません。
そこで、センターに入所するとすぐに食堂内での歩き方についても教わりましたが、なかなか最初はうまくいかず、何とか食堂内を自力で歩けるようになるまでには数日かかりました。また、食堂内の歩行に慣れた後も時折感覚が狂って他の人の席に座ろうとしたり、通路を曲がる場所を見失って食堂内をさまよってしまったりすることもよくありました。
そんな、ちょっとした苦労もあった大食堂での食事ですが、食事自体は想像していたよりもおいしいものでした。
一応、三食とも日替わりの標準の献立はあるようで、食堂のどこかに献立表が掲示されているという話でしたが、私のような全盲の利用者は献立表を見ることができず、カウンターで食事を受け取る際に食堂の方に教えてもらって初めて本日の献立がわかるという状態でした。でも、その分毎日何が出てくるのかを予想してみたりするのも楽しみでした。(もちろん、訓練生それぞれの健康状態や食事制限などに対する配慮はきちんとなされていました)
朝食はご飯を中心に週1回程度パンも出ていました。昼も週1回程度麺類やカレーなどが出ることがあり、やはり長期にわたって入所している人がほとんどなので献立のバラエティーにも気が配られているのでしょう。
献立といえば、祝日や記念日にはそれにちなんだメニューが出ることもありました。例えば3月3日のひな祭りにはちらし寿司が出たり、クリスマスには鶏の唐揚げやピザ、(かなりのミニサイズですが)ショートケーキなどが出ました。
また、当日が誕生日の訓練生には、通常のメニューとは別にケーキやコーヒーがつくというようなこともありました。
これらのお楽しみメニューは、寮生活が長くて日付の感覚を失いがちだったり、なかなか誕生日という気分になれなかったりする訓練性に対してのセンターからのプレゼントなのかもしれません。
ともあれ、平日は朝から夕方まで続く訓練の日々の中で(もちろん訓練のない土曜・日曜・祝日も食堂はオープンしていましたが)、食堂での食事はよい息抜きの場になっていたし、大きな楽しみでもありました。

次回(第12回)は、訓練以外の量での生活について触れたいと思います。
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