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シグナルエイド [視覚障碍者としてのあれこれ]

こんばんは、gonanaです。
私のような視覚障害者が外出する時に危険を感じる場面の一つが、交差点などで道路を横断する時です。
人や車の通行量が多い場所や時間帯では、横断歩道の場所さえ把握できれば、目が見えなくても人や車の動く音や方向を耳で確認することで、信号機があれば、今青信号なのか赤信号なのか、信号機のない所でも今横断してよいのかどうかをある程度は判断することはできます。しかし、交通量の少ない場所や時間帯はそのような方法で横断のタイミングをつかむことも難しくなります。
加えて、近年は、ハイブリッド車など走行音やエンジン・モーターなどの音が低減されている車も多く、そうした車の存在に気付かずに事故に遭うリスクも高まっています。
そんな時、安全に安心して道路を横断するための助けになるのが、交差点に設置された音響式信号機です。
これにより、音の鳴っている方向さえ把握できれば安心して横断歩道を渡ることができます。全国的に音響式信号機の設置率はまだまだかなり低いものの、視覚障害者の外出の安全のためには重要な設備になっています。
しかしそんな音響式信号機ですが、深夜・早朝にはそのほとんどで音が鳴りません。
その理由としては、音響式信号機の設置されている付近の住民に対する騒音対策というのが大きく、視覚障害者の希望と地域住民の意見を聞き、それを踏まえて信号機の音の鳴る時間を調整しているのが現状です。
このため、視覚障害者が深夜や早朝に外出する際、たとえ歩き慣れた道でも音響信号の音が鳴らないことで信号の色が認識できず、道路横断の可否を自分で判断しなければならなくなり、その結果として、早朝で音響信号が鳴らない中で、横断できると判断して歩き出したところへ車が接近し事故に遭うという死亡事故も起こっています。もし早朝であっても音響信号の音で信号の色が認識できていれば、事故は起こらなかったかもしれません。
そうした状況を変えるために、「シグナルエイド」という機器が開発されました。
「シグナルエイド」は製品名で、正式には「歩行時間延長信号機用小型送信機」といいます。携帯電話よりもやや小型の機器で、対応する信号機に向けてボタンを押すと信号機に電波が送信され、音響式信号の音を鳴らすことができるというものです。
現在、全国の自治体でこのシグナルエイドに対応した信号機の導入も進んでおり、「日常生活用具」として自治体の給付や補助の対象にもなっていて、少しずつではありますが利用の環境は整いつつあります。
しかし、そのシグナルエイドにも課題があります。
まずは、そもそも「シグナルエイド」の知名度が、視覚障害者の間でもまだまだ低いという事です。特に中途で視覚障害者になった人に存在が知られていない傾向があり、実は私もシグナルエイドの存在を知ったのは今から数か月前の事でした。
その理由としては、先天的に、あるいは子供の頃から視覚障害を持つ人は、盲学校(視覚特別支援学校)や歩行訓練、視覚障害者同士のコミュニティーなどでシグナルエイドについての情報を得る機会も多いのに対し、私のような中途視覚障害者には機器の存在すら知られていない事が多い事が挙げられます。
また、どの信号機でもシグナルエイドで音が鳴らせるわけではありません。先ほども書いた通りまだまだ音響式信号機の設置率は全国的に低く、しかも音響式信号機であってもシグナルエイドに対応していない信号機もまだまだ存在します。
さらにシグナルエイドに対応した信号機がどこにあるのかという情報もあまり知られていないのが現状で、これからはシグナルエイドなどの支援機器の存在や、それに対応した信号機の場所などの情報が当事者に広く周知される事が課題になっています。
視覚障害者が安全に道路を横断するために、シグナルエイド以外にも東京都内を中心に、タッチ式スイッチという、押しボタンを押す事で今の信号が青なのか赤なのかを音声で知らせてくれる機器の設置された信号機の設置が進んでいる他、信号の色を音声で教えてくれるスマートフォンアプリや、それに対応した信号機の実証実験も行われているようです。
いずれにしても、視覚障害者が時間帯を問わず安全に安心して街を歩けるように、ハード・ソフト両面で様々な改善がスピード感を持ってなされる事を期待したいと思います。

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