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冒険、というにはスケールは小さいけれど [いろんな思い出]

こんにちは、gonanaです。

本日のお題:昔の冒険話、聞かせて!

最近、ある方のブログを読んでふと思い出したことです。

あれは、確か小学校2~4年生ぐらいの時期の夏休みだったと思います。
ある日、お昼ご飯を食べて外へ遊びに出て、どこへ行く当てもなくただただ自転車で家の近所をあちこち走り回っていました。
そのうち自転車遊びにも飽きてきたころ、何となく「これから夕方までにどこまで自転車で行けるんだろう」という疑問が頭の中にわいてきました。
そうなったら迷うことなく、それこそ何のあてもなく、どこへたどり着けるのかもわからないまま、とにかく勢いだけで自転車をこぎ始めました。
当時はGoogleマップなどというものがこの世に現れることなど全く想像もできない頃で、かといって紙の地図を持っているわけもなく、とにかくまっすぐ進むも角を曲がるも、すべては思い付きで自転車をこぎ続けました。
夏休み本番ということで、当日はおそらくかなり暑かったのだろうと思いますが、暑さにギブアップしたり、当時は日射病とか熱射病とか言った熱中症にかかった覚えもありません。
まだまだ子供なので(おそらく)お金も持っていないから、途中でジュースやアイスを買うこともできなかったはずですが、とにかく信号待ちの時などに額の汗をぬぐいながら走り続けました。

当時の私はまだ腕時計を持っていなかったので何時ごろだったかは定かではありませんが、走っているうちに何だか西日が強くなってきたのを感じ、そろそろ夕方になって来たのかな、と漠然と思うようになってきました。
じゃあそろそろ家へ帰らなきゃ、ともと来た道を帰ろうとしましたが、何せ地図も持たずに勢いだけでやってきてしまったので、どこをどう走って来たのやら皆目見当がつきません。
ひとまずここまで来る間目にしてきた建物などの記憶をたどりながら自転車を走らせますが、「ここはどっちへ曲がるんだっけ?」「ここは確かまっすぐ進んだような…」と何度も迷いながら家を目指しました。
そのうち、だんだん空も夕日がまぶしい時間になり、私の気持ちも何だか心細くなってきました。母親の怒った顔も頭に浮かび、泣きそうになってきます。
そうして何とか頑張って走ったり歩いたりしているうちに、やっと見慣れた景色の中へ戻ってくることができ、すごく救われた気持ちになりました。

そして、やっとの思いで家の前へたどり着きました。
玄関のドアを開け、消え入りそうな声で「ただいま」と言った私を待っていたのは、ほっとした表情の母親でした。
「おかえりなさい。どこ行ってたの?」という母の声に、思わず涙がこぼれてしまいました。
私が帰宅した時間はちょうど夕方7時ぐらいだったようで、取り急ぎ汗まみれの体を拭いてから夕ご飯ということになりました。
もちろん、母親からは親に言わずに遠くへ行ってしまったことを叱られましたが、それもまた何だか母親が自分のことを心配していてくれたのだと感じ、むしろ嬉しかったのを覚えています。
聴けば、私が帰るのがあと少し遅ければ警察に捜索願を出そうかと考えていたようで、私は思い付きでとんでもないことをしていたんだなと気づきました。

こうして、一歩間違えれば大騒動になりかけた私の「冒険」は幕を閉じました。
さすがにこんな経験はその後ありませんでしたが、この時の「冒険」の印象は強いものになり、40年あまり経って思い出してみるとこれはこれでよい思い出にはなったのかな、とも思います。
今だったら、あの日の私のような行動を小学生がとろうものなら、親が捜索願を出したり、見慣れない子供が自転車に乗って通りかかったと言って誰かが警察に通報したりして大騒動になるだろうし、事故や事件に巻き込まれるリスクも高いでしょう。
そう考えると、今よりよくも悪くもいろいろなことが「ゆるかった」あの頃の思い出は、私にとっては貴重な宝物なのかもしれません。

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