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20年前の「北斗星」 個室寝台「ロイヤル」乗車の思い出 [その他鉄道ネタいろいろ]

こんにちは、gonanaです。

本日のお題:この時間がずっと続けばいいのにって思ったことある?

楽しい時間を過ごしていると、こういう瞬間って多いものですが、私は長距離の鉄道旅を楽しんでいるときにはいつもそういう気分になります。
中でもその思いが特に強くなっていたのが、「鉄」遠征の生き返りにブルートレインに乗って一夜を過ごし、終着(または下車駅)が近づいている時でした。
単にブルートレインや夜行列車が好きだからというだけでなく、これらの列車の持つ他のタイプの列車とは違う独特の空気感がそうさせたのかもしれません。

「まだまだ乗っていたい」「何ならあと1時間ぐらい遅れてくれてもいい」
移動の為だけに乗っている列車では感じることのないこんな気持ちになった列車の旅の体験は何度かありますが、その中から今回は、ちょうど今から20年前の夏に乗車したブルートレイン「北斗星」の個室A寝台「ロイヤル」の思い出を振り返ります。

2001年のちょうど今(8月上旬)、私は約1週間の北海道での鉄道旅からの帰りに、関東へ帰るため、(確か)札幌駅19:20頃発の上野行「北斗星4号」を利用しました。
この旅では、北海道への足は往復とも「北斗星」でした。
往路では1人用個室B寝台「ソロ」を利用しましたが、帰路では「北斗星」の中でも最も豪華な設備の「ロイヤル」に乗ることができました。
やはりせっかく「北斗星」に乗るなら「ロイヤル」に一度は乗りたいと思っていましたが、「北斗星」登場から廃止まで終始プラチナチケットであり続けたこの豪華個室についに乗れるとあって、乗車前からわくわくが止りませんでした。

発車数分前に「北斗星4号」が札幌駅に入線し、さっそく乗車して指定の個室に入りました。
「ロイヤル」の内部はこれまでに何度も写真やイラスト、映像で見たことがありましたが、いざ実際に入ってみると広すぎもせず狭すぎもせずといった感じのちょうどよい広さで、一晩を過ごすには十分すぎるくらいのよい雰囲気でした。
個室内には幅の広いベッドや回転いす、テーブルがあるほか、映画のビデオが流されるモニターテレビや、車掌室や食堂車とつながっているインターホンなども設けられていました。
さらに室内の扉を開けるとこの個室専用のシャワールームと折り畳み式洗面台・洋式トイレもあるという、至れり尽くせりの充実した設備でした。

札幌駅を発車後、車内改札を受けてしばらくすると、食堂車のスタッフがやってきてウェルカムドリンクを持ってきてくれました。
このサービスも「ロイヤル」利用客だけの特権で、「北斗星」のヘッドマークがプリントされたラベルの付いたワインとウイスキー、ミネラルウォーター、缶の緑茶とおつまみ(ナッツやさきいかあたりだったと思います)がセットになっていました。
ドリンクが来たところで、それらを飲みながら札幌駅の駅弁で夕食としました。
ワインもウィースキーも普段ほぼ飲まないのでそれだけでも「非日常」ですが、豪華な個室寝台で飲むとやはり特別な体験という感じがしました。
シャワーを浴び、残っていたサービスのドリンクを飲み終わると、鉄道旅の疲れなのかワインやウィースキーの酔いなのか、だんだんと眠気が襲ってきました。
そして、いつもよりやや早めにベッドに入ると、青函トンネル通過も気付かずに爆睡。夜行列車でここまでよく眠れたのも今のところこれが唯一です。

翌朝、6時半前後の仙台駅到着の頃に目が覚め、食堂車で朝食を食べて個室に戻ると、8時頃になって再び食堂車のスタッフがやってきて、モーニングコーヒーと朝刊を持ってきてくれました。
これも「ロイヤル」利用客へのサービスで、前日にウェルカムドリンクを持ってきてくれた時に指定した時間通りに届けてくれたものでした。
コーヒーは先ほど食堂車で飲んだばかりでしたが、ゆったりした椅子に腰かけながら飲むコーヒーはまた格別。
朝刊はおそらく川内駅で積み込んだと思われる宮城県の地方紙河北新報で、東京と北海道を結ぶ列車で宮城県の新聞を読むというのも、この列車ならではの面白さでした。

そんなこんなで、札幌を出てからというもの普段は味わうことのない贅沢な列車の旅を楽しむうち、「北斗星4号」の終着上野駅到着が近づいてきました。
前にも書いた通り「まだまだ乗っていたい」という思いを抱きながら終着駅へ向かう経験はこれまでに何度もしましたが、この「ロイヤル」での一夜が終わろうとするこの時間に感じた「まだ降りたくない」という気持ちはいつも以上のものでしたし、この優雅な時間を再び経験することができないのが残念でなりません。

「まだまだ乗っていたい」「降りたくない」と思えるような列車の旅、これからもしたいですね。
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