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小田急VSE50000系 乗車の思い出 [その他鉄道ネタいろいろ]

こんにちは、gonanaです。

本日のお題:春は出会いの季節?別れの季節?

若い頃は、春といえば卒業や別れももちろんあるにせよ、それ以上に新たな出会いや物事のスタートというイメージが強かったですが…
この年齢になると春に新たな出会いなどというのもなかなかない気がします。
子供でもいれば進学や進級などの節目の季節なので、新たな春への感慨も強くなるんでしょうが、子供のいない私にはそれもありません。
まあ、甥っ子は来年小学校入学なので、少しは春らしい気分を味わえそうですが。

むしろ、ここ20年近くの間は「春は別れの季節」というイメージの方が強くなってきました。
ましてや鉄道ファン、それも夜行列車や国鉄型車両のファンであり、その他にも登場時からなじみのある車両の多い私としてはなおさらです。
JR各車の大規模なダイヤ改正が3月に行われることが定着し、私鉄や第三セクター鉄道などもそれに歩調を合わせてダイヤ改正や新車投入を行う例が増えて以来、3月は迷列車や名車の引退が特に目立つようになった気がします。
今年もあさって(3月12日)にJRはじめ各社のダイヤ改正が行われます。
今回は減便や運転系統の変更などどうもあまり明るい話題の少ない快晴という印象が強いですが、こと伝統ある列車の廃止や名車の引退という話題は例年ほどは多くない気がします。
その中で衝撃的だったのが、2005年にデビューしてまだまだ新しいイメージのある小田急ロマンスカーVSEこと50000系が、デビュー後わずか17年にして明日(3月11日)限りで定期運用から離脱し、来年には完全引退するというニュースでした。
VSEといえば、久しぶりの展望室付きのロマンスカーであることや、かつてのロマンスカー名物「走る喫茶室」のようなシートサービスが復活した利して話題になった登場時のことがつい昨日のことのような気がするだけに、臨時運行を含めてもわずか18年という短命に終わることになったのは残念でなりません。
幸い、小田急側としても引退後は海老名のロマンスカーミュージアムでの保存の意思はあるようですが…

そのVSEですが、実は私は一回しか乗車した経験がなく、写真を撮影したのも2~3回ほどしかありません。
もともと小田急線に乗る機会自体が少ないこともあり、VSEが登場してぜひ乗車したいと思いながらもなかなかその機会が訪れませんでした。
しかし、2007年か2008年頃に撮り鉄のため東海道線の根府川駅や湯河原駅へ行くことにした際、途中小田原までのルートを往復とも小田急にすることにし、この機会に小田原へ向かう往路でVSE使用の列車に乗ることにしました。
その時乗車した列車の具体的な時刻は忘れてしまいましたが、おそらく昼前後に新宿駅を発車する「はこね」だったと思います。
VSEの姿はそれまでにも鉄道雑誌などでよく見ていましたが、実際に新宿駅に入線してくるVSEを見ていると、何だか動物のようにも見える独特の前面形状と、昔からのロマンスカーのイメージとは異なるアイボリー(?)ベースの塗装はやはりインパクト台でした。個人的には、窓下に赤い細帯の入った車体側面の外観に、京王のかつての名車初代5000系を思い出してしまいましたが(笑)
乗車日は平日でしたが、それでもやはり展望室は人気のようで指定券が取れず一般の座席に座ることになりました。
それでも側窓からの展望を考慮して通常より5度(だったかな?)窓側に向けられた座席からの眺めはちょっと新鮮なものでした。
昼間の列車ということもありそこそこの高速運転と快適な乗り心地を楽しむことができましたが、今思うと悔やまれるのは、VSEで復活した本格的な飲み物などのシートサービスを利用しなかったこと。
うっかり(?)別の場所で弁当や飲み物を買って昼食にしてしまったためでしたが、ロマンスカーの車内販売が全廃されてしまった今となっては、あの時何かしら注文していれば…という心残りはあります。
新宿駅から乗車すること1時間余りの小田原駅で下車し、次回はぜひVSEに乗って箱根へ行こうという気持ちになりましたが、結局その後再びVSEに乗るチャンスはなく、このたびの定期運用離脱でとうとう特急券さえ確保できればいつでも乗車できる存在ではなくなってしまいました。

VSEの早過ぎる引退には、連接者という特殊な構造と、アルミダブルス金構造という車体構造ゆえのメンテナンスや改造工事の難しさといった理由があるようですが、そのために意欲的で乗って楽しい車両が早くも引退の時を迎えてしまうのは、何とももったいないことだと思います。
これで小田急ロマンスカーの伝統ともいえる展望席を持つ車両も最新のGSE(70000系)だけになり、今後はロマンスカーも観光客というより通勤利用やビジネス利用を重視する方向へシフトしていくという話もあるようです。
しかし、私も含め多くの人が抱く小田急ロマンスカーのイメージは、今も他の列車とは違う特別なものがあると思いますし、ただ目的地まで座って速くいける列車というだけでない、乗ることにわくわくや夢のある列車という精神は今後も失われてはならないと思います。

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