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読めた方がいいのはわかっちゃいるけど [視覚障碍者としてのあれこれ]

こんにちは、gonanaです。

本日のお題:買ったはいいけれど使わずにいるもの

先日、部屋を片付けていて久しぶりに発掘(?)したものの一つに、私が視覚障がい者となり、埼玉県にある国立障碍者リハビリテーションセンターで歩行訓練などの自立訓練を受けている時に点字を覚えるために購入した、点字を打つための用具と、その後購入した点字を勉強するためのテキストがあります。
このうち、点字を打つための用具は、点字を打つ際に使用する台(点字板や点字を打つのに使う針状の特記のついた「点筆」、それに専用の用紙などの一式がそろっています。
また、テキストの方は、障碍者リハビリテーションセンターでの訓練を修了してしばらく経った後に、点字を忘れないように時々練習しようと購入したものでした。

私が障碍者リハビリテーションセンターで点字の訓練を受け始めた頃は、センターの備品の用具を借りて訓練を受けていましたが、訓練を終えた後も何かと点字を使う場面はあるだろうと考えて自前の用具を揃えることにし、訓練でも使うようになりました。
自立訓練を受けていた頃は、訓練以外の空き時間にも点字を打つ自主練習を時々するなどして、自分でも少しずつ点字を覚えることができている実感を味わいながら点字の練習をしていましたし、点字を読むほうの能力も少しずつついてきた感じでしたが…
訓練を修了して自分の打った点字を誰かに見てもらい打ち間違いなどを指摘してもらったりするチャンスがなくなると、どうも点字練習のモチベーションが保てなくなる感じがし、次第に点字を打つ練習をすることもなくなっていきました。
そして何より、日常生活で点字を使う必要性がほとんどないというのも理由の一つです。
私が視覚障がい者になった頃には、パソコンもスマホも音声読み上げなどを駆使してそれほど不自由なく使えるようになったし、本も録音図書や対面朗読などを利用することで点字が読めなくても楽しめるものが増えています。
そのようなわけで、だんだんと点字用具も机の引き出しにしまったままという状況になっていきました。
ただ、せっかく自立訓練で点字を学ぶことができたのにこのまま使わずに忘れてしまうのではもったいないので、もう一度点字を学び直すために初心者向けの本を購入して勉強を再開しようとしましたが…
やはり点字の勉強は目が見えて点字の知識のある人と一緒にやらないと難しく、これも挫折してしまっています。
世間一般では、視覚障がいのある人はみんな点字が読める、というイメージがあるようで、かく言う私も見えていた頃はそうでした。
しかし、実際に私が視覚障がい者になってみると、特に私のように大人になってから視覚障がいを持つようになった人の中には展示が読めないという人も多いようです。
これは先ほども書いたように必ずしも点字に頼らなくても一定レベルの生活は遅れるようになったことが大きいですが、やはり視覚特別支援学校(以前の盲学校)でしっかり点字を勉強してきた生まれつき、あるいは幼少時からの視覚障がい者の人と、私のように大人になってから展示を勉強した人の間ではどうしても点字を使いこなし、読みこなす能力に大きな差ができてしまうのかもしれません。

ただ、街中の案内表示など点字は併記されていても音声による案内ないというケースもあるなど、まだまだ点字が読めた方が便利という場面もありますし、見えている人が手帳やメモアプリに細かなメモを残すように、視覚障がいがあっても点字を使ったメモや雑記帳をまめにとっている人も多いようで、そう考えるとやはり点字を使えたり読んだりすることができて損はないんだろうなということは感じます。
仕事が休みの週末にでも、もう一度点字の学び直しができるような講座があれば、時間を見つけて通ってみたいところです。
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