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「クロックポジション」って? [視覚障碍者としてのあれこれ]

こんにちは、gonanaです。
先日、たまたまあちこちの局をザッピングしながらテレビを見ていたら、「はじめてのおつかい」をやってました。
別にこの番組のファンというわけではないけれど、何となくそのまましばらくこれにチャンネルを合わせていました。
その時の内容は四つ子がみんなでおつかいに出るシーンだったんですが、4人を呼び分ける時に「6時の○○ちゃん」とか「9時の●●ちゃん」などと表現していたのです。
どうやらこれは、この4つ子がまだお母さんのお腹にいた時に、病院での検診の際に撮影したエコーの画像に映っていた4人それぞれの、画像上での位置を時計の針になぞらえて表現したもののようでした。
私はこの表現の仕方に、「へぇ~、こういう時にもクロックポジションって使うんだぁ」と新鮮な驚きを感じました。

この「クロックポジション」というのは、自分や話相手の目の前にある物の位置を、アナログ式時計の短針になぞらえて表現するもので、例えば自分や相手から見て正面手前側にあるものは「6時の方向」と表現したり、右斜め前方向にあるものは「1時(2時)の方向」(斜め方向の場合は「○時」の表現のしかたはやや感覚的なものもありますが)などと表現します。
主に私のような目の見えない・見えにくい人に物の位置や進む方向を伝えたりするときに使われますが、先ほどの例のようにそれ以外の場面でも使われることがあるのかもしれません。
私自身は、まだ目が見えていた頃はクロックポジションなるものの存在自体ほぼ知りませんでしたが、見えなくなってから今後の生活や仕事に向けた自立訓練を受けた時に、そのかなり初期の段階で教わったのがこのクロックポジションでした。
確かにこのような表現方法を使って物の位置などを伝えてもらえると、どこに何があるのか、どの方向に向かって歩けばよいかなどがイメージしやすく、それによって見えなく(見えずらく)なってもスムーズにできることが多くなるのを実感したものです。

そんな、クロックポジションに関する記事が、1か月ほど前のネットニュースに出ていました。
詳しくは下記のリンクからどうぞ。

4カ月ぶりにサイゼリヤに行ったら「ピザは12時に」...全盲の女性への“神対応”に称賛の声 その理由とは(まいどなニュース)
https://maidonanews.jp/article/13503052

私自身は、サイゼリヤには2~3回しか行ったことがなく、しかもそれはクロックポジション自体知らなかった見えていた頃なので、サイゼリヤでこのような取り組みがされていたことも知りませんでした。
でも、確かに記事の中にもあるような方法でテーブルの上の料理や飲み物の位置を知らせてもらえると、食べたい(飲みたい)ものがどこにあるのか理解しやすいし、こぼすと大変なことになる汁物やうっかり触れるとやけどするような熱いものなどにも注意を払いやすくなってかなり便利だと感じました。

クロックポジションはまだまだ世間一般の知名度は低いようですが、目の見えない(見えずらい)人に対するサポートの方法の一つとして、もっと多くの人が知っていてもらえるとありがたいと思いますし、使い方によってはその他の場面でも便利に使えるということがあるのかもしれません。
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あおたけ

クロックポジション、
恥ずかしながら私はネットニュースの
サイゼリヤの話題を呼んで初めて知りました。
物が置かれた位置をアナログ時計に当てはめると、
わかりやすいのですね。
私がそれを使う機会があるかどうかはわかりませんが、
覚えておきたいと思います。
by あおたけ (2020-08-03 07:15) 

gonana

>あおたけさん
こんばんは。
いえいえ、私もまだ見えていた時にはクロックポジションのことは全く知りませんでしたから。
お互い見えている人同士なら、わざわざこのような方法で物の位置や方向を表現することなど、ほとんどありませんものね。
でも見えない(見えにくい)人とコミュニケーションをとるときのために、覚えておくと説明がしやすいと思います。
お互い見えている人同士でも、もしかすると覚えておくと便利な場面があるのかもしれません。
by gonana (2020-08-03 23:30) 

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