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2012年 北斗星の旅の思い出 その3 [その他鉄道ネタいろいろ]

こんばんは、gonanaです。
8年前の「北斗星」乗車の思い出、もう少し続きます。

青函トンネルを抜けて北海道に上陸した「北斗星」は6:35、道内最初の停車駅函館に定刻到着。
函館では青森に続き、再度の進行方向の反転と機関車交換が行われますが、青森駅では車外に出られなかった(そもそも、私の乗車した1号車は、青森駅ではホームのない場所か線路に停車しました)のに対し、函館は客扱いを行う停車のため、もちろんホームへ出て撮影をしつつ気分転換を図ります。
まずはここまで、この日の「北斗星」を牽引したED79 12号機とその解放作業を撮影し、急ぎ足でホーム札幌方先頭へ移動。
先頭にはすでに札幌までの牽引を担当するDD51 1095+DD51 1148の重連が連結済みでした。
それにしても、8分間の停車時間中に客車12両を挟んだ前後の機関車の間を移動しつつどちらも撮影するというのは結構大変なもので、約300mほどの間を急ぎ足で移動してDD51の先頭部までたどり着いた時には、もうすでに発車まで2分を切っていました。
とりあえずDD51先頭のカットは2カットほどとっただけですぐにその場を撤収。
せっかく乗車している「北斗星」に置いてきぼり(しかも貴重品とデジカメ以外の荷物は寝台に置いたまま)を食らっては元も子もないので、一番近いドアを目指しますが、DD51重連に続く客車は電源車カニ24で、その次の11号車のオハネフ25のドアは1号車と同じく編成後方に寄った位置にあるため、都合4両分の距離(80m弱?)をまたも急ぎ足で移動することになり、ゴールの11号車のデッキに飛び込んで車内に入った次の瞬間にドアが閉まるという、朝から何ともスリリングな展開となってしまいました。
それでも、両方の機関車のそばで撮影している人も、その他ホームに出ている人も意外に少なかったので、移動が全体にスムーズにいったのが救いでしたが。

朝食前に思わぬ朝のハードな運動をすることになってしまいましたが、何はともあれ「北斗星」のヘッドマークを掲げたED79とDD51の姿をとらえることができて一安心です。
函館駅で飛び乗った11号車から自分の寝台のある1号車に戻るには、途中で7号車の食堂車「グランシャリオ」を通ることになります。
そこで寝台に戻る前に、函館到着直前の6:30にすでに朝の営業が始まっている食堂車で朝食をとることにします。
前夜の「パブタイム」同様、朝食時も事前の予約は不要なので気軽にドアを開けると、やはり少しでも早く朝食にありつきたい人が多いのか、テーブルはすべて埋まっていました。
スタッフに隣の車両の半室ロビーで名前を呼ばれるまで待機するよう案内されたので、前夜同様ロビーで順番を待つことに。
前夜のパブタイム開始前は満員だったロビーも、この時間は私と同じような朝食待ちの人が3~4人いるだけでゆったり過ごせました。
ロビーの窓からは、大沼国定公園の風景がバッチリ望めました。
タイミングよく青森から乗務しているJR北海道の車掌さんによる車窓案内もありました。(この後もいくつかの名所を通過するたびに車窓案内あり)
7:30頃になってやっとスタッフからお呼びがかかり、改めてグランシャリオに入店。
重厚な大人のムードにあふれた夜とは全く違う、明るく開放的な朝の雰囲気もまた、グランシャリオの魅力でした。
右手車窓に広がる噴火湾の景観を眺めながらいただいたのは洋朝食。
メニューは、ジュース(確かおれんじまたはアップル)、サラダ、クロワッサンと(確か)ロールパン、卵料理(確かスクランブルエッグ)、ソーセージとポテトフライ、巨峰入りのヨーグルト、夕張メロンゼリー、コーヒーまたは紅茶(私はコーヒー)という、普段の朝食とは比較するだけ野暮というくらい豪華、かつボリューム満点の内容でした。
朝食の値段としては高額な1,600円という価格も、雄大な北海道の海と緑を堪能しながら豪華なメニューをいただき、明るい気持ちのよい朝を感じられるグランシャリオの雰囲気も込みでのこの値段なら納得、というか安くすら感じるほどでした。

満足度120%の朝食を終えて、しばらくぶりに寝台に戻ってくると、もう早いもので北斗星の旅もあと3時間ほど。
あとは札幌到着まで車窓を眺めつつのんびり。
車内ではJR北海道函館運輸所の車掌さんによる北斗星グッズの車内販売も行われ、私は2枚組のオリジナルオレンジカードを購入。
JR発足前後から数年ほどの間に各地の列車で盛んにおこなわれていた担当者章句オリジナルのオレンジカードの車内販売ですが、私はこの時が数年ぶりの遭遇となり、しかも記憶に残っている所では最後の遭遇にもなりました。
今ではオレンジカード自体が過去のものになっており、こんなところにも時代の流れが感じられます。

11:18、定刻より3分ほど遅れて「北斗星」は札幌駅に到着。
11年ぶりの「北斗星」の旅は非常に楽しく充実したもので、「もっと乗っていたい」「また乗りたい」という強い思いにさせてくれる16時間あまりの時間でした。
折り返し整備を受ける札幌運転所へ引き上げる北斗星編成を見送り、私は引き続き北海道の鉄道旅をつづけたのでした。

結局、この時の乗車が「北斗星」最後の乗車となりました。
私としては、もちろんあと何回でも乗車したかったし、廃止前のお別れ乗車もかなわなかったのは悔やまれてなりません。
しかし、ここまで綴ってきた最後の乗車からでも8年、さらにその前の乗車経験から数えるともっと多くの年月が経った今でも「北斗星」乗車の思い出は鮮明に心に残っています。
あと10日ちょっと経つと、2015年8月22日から23日にかけての上り列車を最後に「北斗星」が27年5か月の歴史に幕を下ろして早いもので5年という節目の時を迎えます。
たとえどんなに多くの人に利用され、鉄道史に名を遺した列車でも、5年もたてばともすれば忘れ去られがちなものなのかもしれませんが、「北斗星」は廃止から5年が経過してもなお、先日の記事でも取り上げたようにこの列車にまつわる話題が時折ネットニュースなどに掲載されるというのは、それだけ多くの人の記憶や思い出に残る素晴らしい列車だったということの表れなのでしょう。
それは「北斗星が」、「四季島」「瑞風」「ななつ星」といった、豪華なのは確かだけど料金の高さや乗車のための競争率の高さから自分には縁のない列車と感じてしまいがちなクルーズトレインのような列車ではなく、豪華列車としてのクオリティーは高いレベルで維持しつつ、ちょっとだけ頑張ればいつでも誰でも乗車のチャンスのある、手の届きやすい存在の列車というスタンスを、運転開始から終焉まで一貫してとり続けてきたことも大きく影響しているのかもしれません。
ヨーロッパでは一度衰退した夜行列車を新たな形で復活させる動きも広がっているようですし、日本でも「北斗星」や「トワイライトエクスプレス」の精神を受け継ぐような、豪華かつ便利で普段使いしやすい夜行列車が復活する日がやってきてほしいものです。
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