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2012年夏 北海道遠征の思い出 その11 [その他鉄道ネタいろいろ]

こんにちは、gonanaです。
今回も2012年夏に北海道で鉄道旅をした時の思い出の振り返りの続きです。

北海道遠征4日目の2012年8月10日は、朝ホテルをチェックアウトしてまずは函館市電を少し撮影してから函館駅へ。
そしてこの日乗車するのは、この年夏の臨時列車として4日前から走り始めたばかりの札幌行臨時特急「ヌプリ」。
この列車の特徴は、運転区間のうち長万部―札幌間を、「スーパー北斗」など他の特急・急行の室蘭本線経由(東室蘭・苫小牧経由)ではなく函館本線のいわゆる「山線」経由(倶知安・小樽経由)で運転すること。
愛称こそ異なるものの、運転経路だけならかつて定期運転されていた特急「北海」のリバイバルともいえる列車でした。
ちょうど北海道遠征をすることに決めたタイミングでこの列車の運転が発表されたので、未乗車だった函館「山線」の踏破もできて一石二鳥とばかり乗車することにしました。
ちなみに愛称の「ヌプリ」とはアイヌ語で「山」を意味する言葉で、沿線にそびえる羊蹄山や駒ケ岳に由来して名付けられたそうです。

「ヌプリ」の列車別改札が始まりホームへ出ると、すでにスラントノーズ形前頭のキハ183形を両先頭に連結したキハ183系4両編成がすでに入線していて、これが「ヌプリ」になります。
スラントノーズのキハ183形を生で見るのも久しぶりで、欲を言えば国鉄特急色リバイバル塗装車だったらもっとよかったのに…などとついつい考えてしまいました。
側面の行先幕や前面愛称幕の絵入りヘッドマークも、「臨時」幕ではなく専用のものがちゃんと用意されていて、久しぶりに設定された山線経由の特急列車に対する力の入れようが感じられました。
またホームの発車案内にはしっかりと「ヌプリ」の列車名と「小樽経由」の文字が表示され、駅や車内の案内放送でも「ヌプリ」が東室蘭・苫小牧・南千歳等を経由しないことが繰り返し案内され、「スーパー北斗」「北斗」との誤乗防止に気を配っていることがうかがえました。
こんなところからも、函館―札幌間の鉄道利用では室蘭線経由が当たり前になっている事実を実感させられました。

「ヌプリ」は11:43、函館駅を定刻に発車。
この列車は臨時列車であるためか、特急でありながらかなりゆったりしたダイヤが組まれており、例えば函館―長万部間では「スーパー北斗」「北斗」なら1時間10分台、客車列車の「北斗星」「はまなす」等でさえ1時間40分台で走るにもかかわらず、「ヌプリ」はなんと2時間10分もかけて結んでいました。
その背景として、時間調整や単線区間での交換待ちのため途中の主要停車駅のほとんどではニセコ駅の30分を最長に、比較的まとまった停車時間がとられていることがあります。
そのため、乗車しているとまるで長距離ドン行の旅を楽しんでいるかのような気分を味わうこともできました。
車内では車掌による通常の車内放送とは別に、女性乗務員による車窓などの案内もあったほか、長万部からの山線区間の停車駅のホームでは、停車時間を利用して地元の方々による名産品の販売が行われたりと、単なる都市間移動のための列車というより観光列車的要素も盛り込んだ列車という感じでした。
私も停車時間にはホームに降りてみたり、函館駅で購入した駅弁を食べたり、ちょっと居眠りしたりして、乗っていてなかなか楽しめる列車でした。

18:29、「ヌプリ」は終着の札幌駅に定刻到着。
乗車した4号車(自由席)に限れば函館から札幌まで、ほぼ全区間を通して乗車率はそう悪くはない感じでした。
単純に函館―札幌間の所要時間だけで比較すれば、「スーパー北斗」「北斗」の倍以上の時間はかかるものの、乗車してみての印象としてはGWから初秋あたりにかけての多客期なら「ヌプリ」のような列車にも意外に存在価値はあると感じました。
「ヌプリ」は翌年以降も、運転形態や運転期間を幾たびか変えたりしながら数年前まで運転されていました。
最近は「ヌプリ」の設定もないようで、それどころか北海道新幹線札幌延伸後の函館「山線」がどのような姿になるのかも不透明な状況ではありますが、できればまた「ヌプリ」のような観光列車的な要素を持ちつつ気軽に乗車できる「山線」経由の特急列車をまた走らせてほしいものです。

さてこの後、当初の予定では札幌駅構内や周辺で時間をつぶした後、その夜の「はまなす」で北海道を離れる予定で未乗車だった「ドリームカー」の指定席も確保していたのですが…
体調の方がまだ本調子とはいいがたい感じだったため、ひとまずこの日は前々日から前日にかけて泊まったビジネスホテルに再び泊まることにし、残念ながら「はまなす」乗車は断念することにしました。
結果的に札沼線の廃止区間だけでなく「はまなす」も「リベンジ乗車」の機会を得られないまま廃止という結末に至ってしまいました。
本当に、埼玉と北海道の気温差にやられてしまった自分の体調が悔やまれてなりません。

次回に続きます。
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2012年夏 北海道遠征の思い出 その10 [その他鉄道ネタいろいろ]

こんにちは、gonanaです。
今回も2012年夏に北海道で鉄道旅をした時の思い出の振り返りの続きです。

札沼線の踏破を途中のあいの里公園駅で切り上げて札幌駅に戻った後は、改札内のラーメン屋さんでやや遅めの昼食の後、再び3・4番ホームへ上がりました。
時刻は14時近くなり、大阪行豪華寝台特急「トワイライトエクスプレス」の発車時刻も近づいてきたので、これを撮影しようというわけです。
発車数分前に「トワイライト」編成が入線すると、やはり多くの人が撮影に興じています。
もちろんその中に私もいたわけですが、「トワイライト」の停車する4番線では機関車の停車位置はホーム先端にかなり近い場所のため、停車中にDD51の姿を撮影しようとするとかなり苦しい構図になってしまいました。
それでも、EF81を先頭にした「トワイライト」の姿は何度か撮影経験はあるものの、DD51先頭の姿を撮影できたのはこの時が唯一だったので、私的には良い記録になりました。
ちなみにこの日札幌ー五稜郭間で「トワイライト」を牽引したDD51は、何とこれで3度目の遭遇になる1095+1148号機のコンビでした。
14:05、「トワイライトエクスプレス」は定刻に大阪駅への22じかん47分の旅に出発。
次回こそ乗車したい!という思いを改めて噛みしめながら発射を見送りました。
結局、その夢は叶いませんでしたが…

「トワイライト」発車を見送った後は、14:52発のキハ283系特急「スーパー北斗16号」でこの日の宿泊地函館へ移動します。
前日の「北斗星」では函館から札幌まで4時間半で到達しましたが、やはりキハ283系の高速性能は客車とは段違いで、札幌から3時間強の18時過ぎ(定刻よりわずかに遅れましたが)には早くも函館駅に到着しました。
「スーパー北斗16号」が到着したホームの反対側には、接続する485系3000番台の新青森行特急「白鳥96号」が停車中。
さらにその隣ではキハ183系の「北斗19号」も発射待ち中で、お互い外観はかなり変貌したとはいえこの時期でも貴重になっていた国鉄型車両による特急同士の並びを見ることができました。

函館駅自体は前日も通っていますが、月謝するのは11年ぶり、2003年の駅舎改装後は初めてになります。
やはり、久しぶりに訪れてみるとずいぶん駅舎内外の印象も大きく変わるもので、驚くやら新鮮に感じるやら。
この日はこの後函館駅前のホテルに入り、この日は終了となりました。

次回、函館「山線」経由の臨時特急で札幌へ戻ります。
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2012年夏 北海道遠征の思い出 その9 [その他鉄道ネタいろいろ]

こんにちは、gonanaです。
2012年夏に北海道で鉄道旅をした時の思い出の振り返り、まだまだ続きます。

鉄道旅3日目の2012年年8月9日は、当初の予定では少し早起きし、早朝札幌駅に到着する青森から到着する急行「はまなす」を撮影し、その後一部区間が電化されて間もない札沼線に終点の新十津川駅まで乗車。
その後新十津川駅からほど近い場所にあるバス停から函館本線滝川駅へバスで抜け、札幌駅へ戻って午後から夕方に発車する「スーパー北斗」または「北斗」で函館へ向かう…という行程を考えていました。
しかし当日ホテルで目覚めたのは午前7時頃と完全に寝坊。
しかも、連日30℃を超える暑さの続く関東とそれより確実に平均気温の低い北海道との気温差に体が対応しきれていなかった上に、前日の711系乗車中に窓を開けて少々肌寒いくらいの風に当たってしまったためか、体調もいまひとつ…

ということで、朝食バイキングを食べに行った後10時のチェックアウトタイム近くまで部屋でのんびりしてからホテルを出発。
札幌駅では売店でお土産を物色したり、ホームで駅撮りしながらしばらく過ごしました。
キハ281・283系や789系の各方面への特急や電車の普通・快速など、前日の夕方と同様な顔ぶれの列車が多く発着する中、11時半頃にはDD51形ディーゼル機の単機回送に遭遇するというサプライズもありました。
もちろん11:15に札幌駅に到着する上野からのブルートレイン「北斗星」も撮影しました。

その後、12:00発のあいの里公園行1565Dで、今回が初乗車の札沼線の乗車に出発。
同線はこの年6月1日に桑園駅(札沼線の路線上の始発駅)ー北海道医療大学駅間が電化されたばかりでしたが、なぜかせっかくの新電化区間なのに気動車に乗ってしまいました(笑)
1565Dの車両は、前日に乗車した731系電車とよく似た車体を持つキハ201系気動車。
同形式の車内も731系とほぼ同じデザインの3扉オールロングシート。
札幌駅を出て次の桑園駅から札沼線内に入ると車窓風景ものどかになり、いかにも郊外路線といった雰囲気の中を走ります。

1565Dは札幌から28分で終点のあいの里公園駅に到着。
すっかり予定が狂ってしまったとはいえ、やはり当初の目標通り終点新十津川駅まで乗車し、札沼線全線踏破といきたいところでしたが…
札幌駅からこのあいの里公園駅までは昼間でも20分間隔、その先北海道医療大学駅までの区間も20~40分間隔で列車が走る札沼線も、非電化のまま残されたそのさらに先の区間になると列車本数は激減。特に終点の新十津川まで運転される列車は一日数本で、この後の行程を考えると次の新十津川行に乗車することは困難。
そのようなわけで、残念ながら札沼線全線踏破は断念し、折り返しの1562Dで札幌駅へ戻ります。
その後札沼線は、非電化で残った北海道医療大学駅ー新十津川間が昨年(2020年)5月7日に廃止され、この区間の「リベンジ踏破」は叶わないままの夢に終わってしまいました。
つくづく、この日の体調不良が悔やまれてなりません。
せめて、まだ未踏破で残っているあいの里公園駅ー北海道医療大学駅間に関しては近いうちに踏破しに行きたいところです。

次回に続きます。
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2012年夏 北海道遠征の思い出 その8 [その他鉄道ネタいろいろ]

こんにちは、gonanaです。
今回も2012年夏に北海道で鉄道旅をした時の思い出の振り返りの続きです。

旭川駅から711系の普通列車2194Mに乗車し、函館本線の岩見沢駅に到着。
ここから乗り継ぐのは、731系電車の小樽行区間快速「いしかりライナー」3446Mへ乗り換えます。
3446Mは愛称もついた区間「快速」とはいっても、札幌までは各駅に停車し、札幌から先も通過するのは4駅だけという、やや残念な(?)快速列車でした。
北海道初の国鉄型電車だった711系に対し、731系はJR北海道発足後に登場した形式。
車内は711系のデッキつきで2扉または3扉のセミクロスシートに対し、デッキなしの3扉オールロングシートとなっています。
先ほどまで、デッキつきで客室の窓も二重窓構造といういかにも北海道の車両といった感じの711系に乗った後だけに、731系のデッキなしオールロングシートの車内に入ると、途端に関東近郊に舞い戻って来たかのような錯覚を覚えました。

3446Mは16:18に札幌駅に到着。
同列車は12分停車ののち小樽へ向かいますが、私はここで下車し、その後しばらくあちこちのホームを移動しながら発着する列車を撮影しました。
札幌駅は北海道最大のターミナル駅ということもあり、キハ281系の函館行特急「スーパー北斗18号」、789系の旭川行特急「スーパーカムイ31号」といった特急列車から、721系の快速「エアポート」、711・721・731系の普通・快速列車、さらには当時札沼線を中心に活躍していた、51形客車を種車に改造された気動車キハ141・142形まで、短時間のうちに様々な車両を見ることができました。
そしてこの日の締めは17:12発の上り「北斗星」の撮影。
函館までの牽引機のDD51はこの日朝の下りと同じ1095+1148号機のコンビでした。
「北斗星」が上野駅を目指して発車していくのを見送ったところでこの日の乗車・撮影は終了となり、札幌駅からもほど近い場所のビジネスホテルに宿泊しました。

次回に続きます。
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2012年夏 北海道遠征の思い出 その7 [その他鉄道ネタいろいろ]

こんにちは、gonanaです。
今回も2012年夏に北海道で鉄道旅をした時の思い出の振り返りの続きです。

「スーパーカムイ17号」で着いた旭川駅からは、13:41発の岩見沢行普通列車2194Mでとんぼ返りします。
わずか21分しか滞在しないにもかかわらず旭川までやって来たのは、この列車に当時すでに引退が近づきつつあった北海道初の国鉄電車711系が運用されていたからでした。
2194Mは発車の数分前に旭川駅に入線。
日中の普通列車らしく、1両に数人ずつの乗客がまばらに散らばって座る状態で旭川駅を定刻に発車しました。
711系はもともとデッキつき2扉者ですが、この日乗車したS111編成は3両編成のうち両先頭車が3扉化改造を受けた編成でした。
後輩の721系ともども、「デッキ付3扉車」というのもおそらく札幌近郊でなければ考えられない車内レイアウトでしょう。
また711系の中にはJR移行後に冷房車化された編成もありましたが、このS111編成は非冷房のままで、天井では扇風機が全開で稼働中でした。
当時関東では乗る機会も希少な非冷房車なので、窓を開けて風を感じながら行こうかとも思いましたが、走りだしてみると関東と旭川周辺とでは気温差が大きいせいか、風に当たると少し寒くなってきたので断念。
その後、これが原因だったのかどうか体調を少々崩してしまうことになるのですが…

14:26着の滝川駅では後続の「スーパーカムイ26号」待避のため14分の停車。
停車中には同じ711系3扉改造車の旭川行2181Mも到着。
こちらは待避等はなしですぐ発車していきました。
2194Mは15:22に終着の岩見沢駅に到着。
711系は結構な高速運転を披露してくれ、789系とはまた違った快適な乗り心地を味わうことができました。
やはり国鉄型車両のボックスシートを1人で占領してまったり過ごす午後の普通列車の旅はいいものだと感じた1時間41分でした。

ここから札幌方面へはJR型の731系に乗り換えとなるのですが…
できることならこのまま札幌駅まで711系に乗っていきたかった…
などと考えながら、乗り換えのため跨線橋を渡りました。

次回に続きます。
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2012年夏 北海道遠征の思い出 その6 [その他鉄道ネタいろいろ]

こんにちは、gonanaです。
今回も2012年夏に北海道で鉄道旅をした時の思い出の振り返りの続きです。

上野駅から乗車した「北斗星」で札幌に到着した後は、12:00発の789系特急「スーパーカムイ17号」で旭川駅へ向かいます。
この列車は、新千歳空港駅からの快速「エアポート113号」が札幌からそのまま「スーパーカムイ17号」になるという運転形態となっていて、札幌駅での大幅な乗客の入れ替わりはあったものの、乗車した1号車(自由席)は発車時点で満席になる盛況ぶりでした。
当時、JR北海道では乗客減などを理由に一部特急などの減便を行っており、大動脈の札幌ー旭川間を走る「スーパーカムイ」にもその影響は及んでいましたが、少なくともこの列車に関する限りその理由が理解できないくらいでした。

「スーパーカムイ17号」は定刻に札幌駅を発車し、最高速度130km/hで快走します。
車内では、札幌駅の駅弁「ザ・札幌駅弁ベスト」で昼食。
魚介類など、北海道らしいいろいろなメニューの駅弁を一箱で味わえる、という感じの弁当でした。
駅弁を食べ、寝不足気味なので地元局のラジオなど聴きながらボーっとしていたら、あっという間の13:20に旭川駅に定刻到着。
前回(2001年)の北海道遠征当時の旭川駅はまだ地上駅だったので、高架化されてあの時とは全く違う駅に変貌した駅の姿にびっくりでした。

次回、北海道初の国鉄型電車711系に乗車します。

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2012年夏 北海道遠征の思い出 その5 [その他鉄道ネタいろいろ]

こんにちは、gonanaです。
今回も2012年夏に北海道で鉄道旅をした時の思い出を振り返ります。

北海道に上陸した「北斗星」は函館駅を発車し、終着札幌駅を目指します。
函館駅では朝食前に思わぬハードな運動をすることになりましたが、何はともあれ「北斗星」のヘッドマークを掲げたED79とDD51の姿をとらえることができて一安心です。
ホームでの撮影後飛び乗った11号車から自分の寝台のある1号車に戻るには、途中で7号車の食堂車「グランシャリオ」を通ることになります。
食堂車では函館到着直前の6:30から朝食営業が始まっていたので、寝台に戻る前に食堂車で朝食をとることにします。
前夜の「パブタイム」同様、朝食時も事前の予約は不要なので気軽にドアを開けると、やはり少しでも早く朝食にありつきたい人は多いようで、テーブルはすべて埋まっていました。
スタッフに隣の車両のロビーで名前を呼ばれるまで待機するよう案内されたので、前夜同様ロビーで順番を待つことになりました。
前夜のパブタイム開始前は満員だったロビーも、この時間は私と同じような朝食待ちの人が3~4人いるだけで、車窓を眺めながらソファに腰掛けてゆったり待ちます。
大沼国定公園の風景がバッチリ望めるあたりにくると、タイミングよく青森から乗務しているJR北海道の車掌さんによる車窓案内が流れ、北海道にやって来た感慨が盛り上がります。
車掌さんの車窓案内はこの後もいくつかの名所を通過するたびにあり、そのたびに目が車窓にくぎ付けになりました。

7:30頃になってやっとスタッフからお呼びがかかり、改めてグランシャリオに入店。
重厚な大人のムードにあふれた夜とは全く違う、明るく開放的な朝の雰囲気もまた、グランシャリオの魅力でした。
朝食のメニューは和食または養殖の定食のいずれかを選ぶシステムで、私は洋定食を選択しました。
洋定食の内容は、ジュース(確かおれんじまたはアップル)、サラダ、クロワッサンと(確か)ロールパン、卵料理(確かスクランブルエッグ)、ソーセージとポテトフライ、巨峰入りのヨーグルト、夕張メロンゼリー、コーヒーまたは紅茶(私はコーヒー)という、普段の朝食とは比較するだけ野暮というくらい豪華、かつボリューム満点のものでした。
価格は1,600円(和定食も同じ)と、朝食に欠ける値段としてはかなり高額ではありましたが、雄大な北海道の海と緑を堪能しながら豪華なメニューをいただき、明るい気持ちのよい朝を感じられるグランシャリオの雰囲気も込みでのこの値段と考えるなら十分納得、というか安くすら感じるほどでした。

満足度120%の朝食を終えて、1号車の自分の寝台に戻ってくると、もう早いもので「北斗星」の旅もあと3時間ほどを残すだけになりました。
このあとは札幌到着まで車窓を眺めながらのんびり過ごします。
その頃車内では、青森ー札幌間で乗務するJR北海道函館運輸所の車掌さんによる北斗星グッズの車内販売も行われ、私は2枚組のオリジナルオレンジカードを購入。
JR発足前後から数年ほどの間に各地の列車で盛んにおこなわれていた担当者章句オリジナルのオレンジカードの車内販売も、この時が私にとっては数年ぶり、かつ最後の遭遇となりました。

11:18、定刻より3分ほど遅れて「北斗星」は札幌駅に到着しました。
11年ぶりの「北斗星」の旅は非常に楽しく充実したもので、「もっと乗っていたい」「また乗りたい」という強い思いにさせてくれる16時間あまりの旅でした。
乗客を降ろし折り返し整備を受ける札幌運転所へ引き上げる北斗星編成を見送り、私はここから乗り継ぐ12:00発の特急「スーパーカムイ17号」の発車ホームへ向かいました。

次回に続きます。
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2012年夏 北海道遠征の思い出 その4 [その他鉄道ネタいろいろ]

こんにちは、gonanaです。
今回も2012年夏に北海道で鉄道旅をした時の思い出を振り返ります。

青函トンネルを抜けて北海道に上陸した「北斗星」は6:35、道内最初の停車駅函館に定刻到着。
函館では青森駅に続き、再度の進行方向の反転と機関車交換が行われます。
青森駅では運転停車のため車外に出ることはできませんでした(そもそも、私の乗車した1号車は青森駅ではホームのない場所に停車しました)が、函館駅はドアの開く正規の停車駅のため、もちろんホームへ出て撮影をしつつ気分転換を図ります。
まずは青森からここまで、この日の下り「北斗星」を牽引したED79 12号機とその解放作業を撮影しました。
手早く数カット撮影するとすぐに、急ぎ足でホーム札幌方先頭へ移動。
先頭にはすでに札幌までの牽引機DD51 1095+DD51 1148の重連が連結済みで、もちろんこれも撮影するためです。
しかし、8分間の停車時間中に客車12両を挟んだ前後の機関車の間を移動するというのは結構大変なもので、約300mほどの間を急ぎ足で移動してDD51の先頭部までたどり着いた時には、もうすでに停車時間も2分を切っていました。
とりあえずDD51先頭のカットをデジカメと携帯で合計3カットほど撮影し、すぐにその場を撤収しました。
せっかく乗車している「北斗星」に置いてきぼり(しかも貴重品とデジカメ以外の荷物は寝台に置いたまま)を食らっては元も子もないので、一番近いドアを目指してホームを超急ぎ足で歩きます。
しかし、DD51重連に続く客車は乗客の乗降のできない電源車(カニ24)であり、その次の11号車(オハネフ25)のドアはに号車寄りにありました。
そのため、DD51の前頭部から11号車のドアまでは都合4両分の距離(80m弱?)を移動しなければなりません。
結果、発車メロディーやアナウンスがホームに流れる中、ゴールの11号車のドアにギリギリたどり着き、車内に入ってまずは一安心。次の瞬間、「北斗星」のドアは閉まりました。
どうにかこうにか置いてきぼり&荷物との生き別れは回避できたものの、朝から何ともスリリングな展開となってしまいました。
ともかく、無事車内に戻ってこれたところで、朝食のため食堂車へ向かいます。

次回、札幌駅へ向けてラストスパートです。
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2012年夏 北海道遠征の思い出 その3 [その他鉄道ネタいろいろ]

こんにちは、gonanaです。
今回も2012年夏に北海道で鉄道旅をした時の思い出を振り返ります。
前回に引き続き、ブルトレ「北斗星」の旅の続きです。

食堂車「グランシャリオ」での遅い夕食を終え、1号車の自分の寝台に戻ってきました。
そしてほぼ定刻通りの仙台駅発車を見届けて就寝したのが0時頃。

ふと目を覚ますと時刻は午前4時になろうとするところでした。
車窓は暗く、深夜ゆえ車内放送もないので今どこを走っているかは定かではないものの、定時運転であればまもなく青森駅に到着というタイミングです。
「北斗星」は、機関車交換と進行方向の逆転(青森ー函館間はその前後の区間とは進行方向が逆になっていました)を青森駅で行っており、下り列車の場合は同駅は乗客の乗降できない「運転停車」となっていました。
この日私が乗車した1号車は、青森以南と函館以北では編成の最後尾となりますが、青函トンネルを含む青森―函館間ではこの区間の牽引機ED79の次位に連結されることになります。
この時の北斗星乗車に当たって寝台券を購入した際、発売日当日の発売開始時刻(午前10時)ちょうどになった瞬間に指定券類の発券操作をしてもらう通称「10時打ち」を某駅のみどりの窓口の係員の方にしてもらったものの、希望する個室寝台(ロイヤル・ソロ)はどれも満席で、結局一般の開放型B寝台の1号車に乗車することになりました。
しかし、上記のような理由で青森・函館両駅ではED79形電機の連結・切り離し作業が1豪社との間で行われるので、1号車はそれを見学するには好条件といえます。
それならば、もし青森駅停車の頃に目覚めることができれば、同車の編成最後部にくる側の車端部にある貫通扉の窓越しではあるものの(ドアが開かないためホームに降りることができないので)、青森駅でのED79連結の瞬間に立ち会うことができるかも…と目論んでいたのですが、まさにそのようなタイミングで目が覚めてしまいました(笑)

そして、早速その貫通扉の窓のそばのデッキへ移動し、青森駅到着を待ちます。
4:17頃、「北斗星」は青森駅に到着。
先ほども書いた通り同駅は「運転停車」のため客扱いもなく、車内放送もないのでなんだか違和感があります。
到着するとすぐに、こちらに向かってED79のヘッドライトの光が近づいてくるのが見えました。
ここから函館までこの日の「北斗星」を牽引するED79 12号機は、徐々に北斗星編成との距離を詰めていき、3分ほどでドッキングが完了しました。
この瞬間を見届けたいという人はやはりそれなりにいるもので、この日も私の他に3人の方とともに連結の瞬間に立ち会いました。
私も含めみんな、デジカメやビデオカメラを手に撮影に余念がありませんでした。

7~8分ほどの停車ののち、進行方向を逆にして青函トンネルを目指して「北斗星」は青森駅を発車しました。
見たい物は見られたので、函館到着までもうひと眠りしようとしましたが、やはり眠っていては見ることのできない瞬間を見届けられた興奮からか、すっかり目が冴えてしまい、このまま青函トンネル通過と北海道上陸も見届けることにしました。
青函トンネルには前夜の案内放送での予告通り5:07頃に突入。
40分ほどでトンネルを抜けると、そこはもう北海道。
そして6:35、「北斗星」は道内最初の停車駅函館に到着。
ここでは8分停車で先ほどの青森駅と同じく進行方向の反転と機関車交換が行われますが、青森と違って客扱いありの停車なので、もちろん撮影と気分転換のためホームに出ます。

次回に続きます。
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2012年夏 北海道遠征の思い出 その2 [その他鉄道ネタいろいろ]

こんにちは、gonanaです。
前回に引き続き、2012年夏に北海道で鉄道旅をした時の思い出を振り返ります。

19:03、北海道への旅の足となる「北斗星」は定刻通り上野駅13番線を発車。
北海道への鉄道旅、そして結果的に最後となった「北斗星」の旅の始まりでした。
最初の停車駅大宮までは、並走したりすれ違う各線のE231系やE233系をささやかな優越感を感じながら眺めつつ進みます。

この「北斗星」の旅で利用したのは、1号車のオハネフ25 8の「Bコンパート」。
オーソドックスな開放形2段式B寝台の通路側にガラス製の扉と仕切を設け、1区画を4人グループで利用する場合は、仕切扉の開閉やテンキーによる施錠もできる簡易個室になるというものでした。
ただ、この日の私の寝台(下段)のように、仕切扉を全開にした状態でロックし、普通の開放B寝台と同じように利用する場合は、通路との境のガラス仕切がかえって邪魔に感じることも多いのが難点でした。

上野駅発車後19:30頃からは、7号車の食堂車「グランシャリオ」では運転開始から終焉まで一貫して「北斗星」の目玉の一つであり続けた、予約制のフランス料理のフルコースディナーの時間となります。
もっとも、以前に乗車した時同様、この時も料金的になかなか手が出ず、ディナー終了後21:30頃からのパブタイムまで、上野駅のコンビニで購入したサンドイッチでつなぐことにします。
「次回こそはぜひディナータイムも予約しよう!」と心に決めたものの、ついにその機会を逃してしまったことは非常に悔やまれます。

宇都宮駅を発車したところで、食堂車でのパブタイムに備えて(パブタイムの利用は予約不要のため)、食堂車の隣6号車に連結されたスハネ25 502の半室ロビーへ移動します。
ロビーへ行ってみると、もともと定員の多くないソファーはすでに満席で、グループ客が飲み会を始めているのを横目に通路に発つことに。
しかも時間を追うごとに、同じようにパブタイム待ちの人達が少しずつ増えていき、狭いロビーは混雑してきました。
この日は列車自体も満席で、ディナー利用客も定員一杯だったようで、ディナータイムの終了も遅れ、結局1時間ちょっとロビー前の通路で立ったまま待ち、22:00頃になってようやくパブタイム開始となり、「グランシャリオ」の中へ。
やっと席に座り、ビーフシチューセットと白ワインをオーダーしてホッと一息。
運ばれてきたビーフシチューセットは、前妻の「リヨン風サラダ」とメインディッシュのビーフシチュー、ライスかパン(私はパンを選択)、コーヒーか紅茶(私はコーヒー)のセットでした。
ビーフシチューは肉の柔らかさもちょうどよく、デミグラスソースもコクがあってとても美味でした。
普段はワインなど飲むことのない(当時も今も)私ですが、せっかく「北斗星」に乗るならと、北斗星のオリジナルワインを注文。
ボトルには「北斗星」のイラストが描かれたラベルが貼られていて、これだけでも乗車記念に飲む価値の高いものでした。
しかもイラストに描かれている北斗星の牽引機がEF510ではなくEF81のままというのが個人的にはなんだか嬉しかったです。
料理はおいしいし、室内のムードも最高で、翌朝の朝食も含めてブルートレインの食堂車の魅力を改めてたっぷりと感じることのできたひとときでした。
お会計は普段外食するときの数倍の高額だったけれど、十分それに見合う満足感を味わって、遅いディナータイムは終了。
1号車の自分の寝台に戻り、定刻通り23:30に仙台駅を発車したのを見届けたところで、この日はひとまず就寝しました。

次回、北海道に上陸します。
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